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このページは主人公が住む街周辺の紹介です。 ●VIS(バーチャル・イメージ・セキュリティー) 島田重工の子会社です。(オリジナル設定です) 子会社のくせに広さは東京ドームの数倍の広さを誇る会社。 斉藤朱美が働いてる会社であり、天薙龍悪がバイトをするはめになった会社です。 この会社は武装神姫の研究です。 ●丘上公園 まぁいわゆる普通の公園ですね。 場所は住宅街の山の上にあり、天薙龍悪が住んでる街全体を見る事が出来ます。 因みに丁度主人公が住んでる場所は海にも山にも近い都会に住んでいます。 ●アンダーグラウンド ぶっちゃっけ悪い人間しかいません。 無法地帯で隙を見せれば命も危ない所です。 この街に龍悪がお世話になったり世話をしたりする『★BLACK・STAR★』という店がある。 ●モアイ帝国 龍悪のベット下に健在している帝国です。 首領はパルカ。 この帝国はその名もとうりにモアイがいっぱいあります。 パルカの趣味で龍悪のベットの下はこんな国が出来ちゃいました。 ●愛車 スカイライン(GT-R V・spec(2002年モデル)車両型式BCNR34) 天薙龍悪の愛車です。 スカイラインが大好きです。 色々と改造していましてニトロシステムも搭載しています。
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神聖ゲブランド帝國部隊評価 あくまで、国の中での評価なので他国の部隊と比較して評価していません。 ※備考 首都及び戦争で確認できない部隊等は削除しますので、復元しないよう協力お願いします。 (存在している部隊までサクサク本項からryしていくのは復元作業が面倒なので簡便してください。) ※備考 定期的にひどい荒らしが沸いています。削除要請していますが、気付かれた方もご協力お願いします。 (また、国民の皆様で首都(戦場)に存在している塊、目立っている塊を上部へソートして頂けると幸いです。(産廃が多すぎるので。) 今日このページを開いた回数 - 回開きました 昨日このページを開いた回数 - 回開きました 小規模部隊 ( 平均act5人未満 ) 部隊名 隊長 人数 平均act 歩兵 裏方 EH タグ 建築破壊 備考 ちょもらんま隊 不明 F 1~4 F F × × × まとまって僻地へ行くが引き殺されて返り討ちにあう程度の部隊 中規模部隊 ( 平均act5-10人未満 ) 部隊名 隊長 人数 平均act 歩兵 裏方 EH タグ 建築破壊 備考 円環の理 ぐちょぐっちょ C 3~8 F F × × × 新興工作部隊。軍死、堀死、工作員で構成される即kick必須の癌部隊。らしえるくんと‡カミュ‡はキック必須 AINCRAD †ゆきのん† - 5~10 S S ◎ × × 雪解けの前に、水割りロックシャンクの後継部隊口だけ千人長や軍死ばかり。SNS戦士が多く、ここでも自分で「歩兵力をSにする・ゲブ1軍にする」などしているが実際の実力はかなり低く、平均スコアも低い。 大規模部隊 ( 平均act10人以上 ) 部隊名 隊長 人数 平均act 歩兵 裏方 EH タグ 建築破壊 備考 部隊名 部隊長 - 10~? - - - - - - +評価基準 評価基準 【人数(夕方~深夜)】 S:戦場1か所で10人以上でいるのをよく見る A:戦場1か所で10人程度をよく見る B:戦場1か所で8~10人をまれに見る、5人くらいはよく見る C:戦場1か所で5~8人をまれに見る、3人くらいはよく見る D:戦場1か所で3~5人をまれに見る、2人くらいはよく見る E:戦場1か所で1~3人をまれに見る、1人くらいはよく見る F:単発、又はたまにしか見ない、ほぼ個人部隊 【歩兵力】 A:平均的に全員のPSが高い、且つ前線で頼りになる人物が多数在籍(主戦・僻地・中央を備考に記載) B:前線で頼りになる主力部隊(主戦・僻地・中央を備考に記載) C:前線で一応戦力になる一般兵(主戦・僻地・中央を備考に記載) D:平均的に全員のPSが低い、又はデッドランカーが在籍 E:全体的に全員のPSが低い、又はデッドランカーが多数在籍 F:存在が工作に近い部隊 【裏方】 A:裏方に積極的であり、尚且つ上手い B:裏方をきちんと行える者が在籍する C:裏方に消極的、もしくは下手糞 D:裏方をやらない(自身のスコアしか考えていない、スコア厨が集まる部隊。僻地組ではなく中央組かつ建築破壊行為も×なら所謂「癌部隊」である。) E:裏方作業が余りに酷い(たまたまという事もあるので目に余るようなら、キャラ名と罪状を備考に記載) F:存在が工作に近い部隊 【EH】 ○:エンハイ率高、8割以上 △:エンハイ率中、4~5割程度 ×:エンハイ率低、1割 -:無エンチャ、又は使用不明 【建築破壊】 ○:基本的にオベリスク・エクリプスは折るように動く △:時と場合に寄って、折ったり折らなかったり(白兵戦メインの部隊の基本は、ここだろう。) ×:一切見向きもしない、自身のスコアしか目がない部隊という評価 ※1 歩兵力Aであっても、隊員全員がAの歩兵力を備えているものでもなく、裏方Dでも裏方を全くしない部隊ということでもありません。 ※2 部隊単位の目安(平均)となりますので、部隊評価と個人評価を混同しないようにしましょう。 +整理項目:最新版として、現存している・活動している部隊のみを改めて抽出し起稿して下さい。2011/10/30 大規模部隊 (平均act10人以上。) 部隊名 隊長 人数 歩兵 裏方 EH タグ 備考 中規模部隊 (平均act10人未満。) 部隊名 隊長 人数 歩兵 裏方 EH タグ 備考 無双傀儡 不明 B D A - 平均act5~?ケルベロス内藤の別部隊?目標意識が高い・課金率が段違い・裏方を行うなど癌であるはずのケルベロスとは真反対の事を行う。雪解け(現:水割り)と部隊戦を行い圧勝したとの書き込みがあるが詳細は不明。実際やってもらいたい。同戦場で無双とケルベロスを見るためやはり中身は同じなのか・・・? ケルベロス内藤 セニョリータ山田 B F F - 平均act5~?全茶・煽り・僻地攻めが仕事のカス部隊 小規模部隊 (平均act5人前後。) 部隊名 隊長 人数 歩兵 裏方 EH タグ 備考 自由奔放♪ マンネンギプサー F F F △ !FRE 平均act1~3無課金OKな上に全員Noob、完全無欠のゴミ部隊。部隊崩壊したのか人数が少ない。抜けた者が別部隊を作った模様 釣竿のためにトマト刈 ミラポ F D D ○ 刈 平均act2~4世紀末覇者系の派生部隊。もかにゃんがいるとこだね! KEY_Project 人生マスターΨ岡崎 E C F × !? 平均act0~6開幕全チャの脳筋部隊。スコア重視の部隊で、主戦でよく見かけるが蒸発している姿もよく見る。 knights x和也x D F E - 騎 平均act3~6名前を変更しただけの初心者部隊。裏方は積極的に行うが下手。 ぷるるんωすてっき ナンディさん C D E - ω 平均act1~8癌部隊の代表格。というよりエサ部隊に近い初心者を改悪しては中央へ送り出している。しかし無能なゴミしかいない。 ヘイトMAX 1日1良い動き E F E - !しねかす 平均act3~6オナマやフリーダムに便乗して中央を攻める癌部隊。常時中央でもスコアが悲しくなるくらい空気。もっとがんばりましょう。 AMBIVALENCE rasuk D F F - 平均act3~5あの天才策士カナ所属部隊。弓銃のカス構成。歩兵力はGゲブ最下層。 AsGard アイムラビニ♪ C F G - Mc♪ 平均act3~5教育部隊Yggdrasillの後継部隊。煽り行為、個チャ粘着を行う隊員が一部見られる。ユグドラの後継はやはりロクな部隊ではなかった^^ MinDeaD_BlooD 電気式華憐佳奈多 S(笑) S(笑) S(笑) ○ †MB 平均act0~?Gゲブ史上最強の自演部隊。 +ほとんど見ない空気部隊 ・過疎部隊(ほとんど見ない部隊。) 部隊名 隊長 人数 歩兵 裏方 EH タグ 備考 Paradise_of_Caprice Kifen E F F - !PoC 平均act2~5まったく見ない。癌部隊。 Natural_Nature SakuOcean F D E - NN 平均act1~7カントリー限定部隊。普段はいないが、いるときはまとまってINしてる。癌部隊。 うなぎパイ Rocca E B D ○ /π 平均act0~3GOONが爆発し名前改称。NTにActが増える。アルトバイエルン系を吸収か? Starry Waltz ソラビア D C E - [STW] 平均act3~6RosenKranzの再編。僻地癖あり。 ゔぁるはら ξシェリルξ D D D - ゔ 平均act3~5娘々の再編。真正の癌部隊。自称高PS(笑)が多く、味方に暴言を吐く部隊員もちらほら。 うまいぼう Chrysle E E E - 棒 平均act4~8最近みなくなった。 Yggdrasill ARKLIA D C D △ Yg 平均act3~6昔は教育部隊だったらしい。隊長がラーメンマン。 新党もっこり まりもっこり♂ E D E 〇 凸 平均act2~41もっこりGET!党首の戦闘力はなかなかのもの。100もっこりGETでゲブは最強となる。現在15もっこり!敵がいるところならどこへでもホイホイついていくため、しばしば中央で部隊連携という滑稽な姿を披露する。癌部隊。 つじょ~ん Cedric_Pioline D C D - (?盆?) 平均act0~4戦場ではあまり目立ててはいないが、オベ折り意識が高く、職構成もよく考えている様子。 ☆圧倒的オナマラブ♪ こっこりす E C E - !癌 平均act1~3癌部隊の代表格。現在はへんたい等に移り、ほとんどいない。(というより消滅した?詳細求む。)ぼっちは残り、他はこっこりすと共にF鯖へ去っていった。 ◆FREEDOM@FP◆ HEALTH B C C ○ ◆FREEDOM 平均act3~8G鯖だからと舐めた気分で移住してきた部隊だがG原住民以下のPSだったのは残念と言わざるを得ない。2chでの自演は見てて恥ずかしい 月光ノ刻 ろぼぱんだ C B C ○ !ART 平均act3~5バランスとれた構成。主戦における部隊長のオベ特攻は見事なもの NiceDead 不明 D B D ○ !ND 平均act3~5VC主戦部隊。構成もそこそこに揃えている。 (・______・) ☆エルトシャン☆ C C C △ ( 平均act3~8元主力部隊Unionの派生部隊。人数が増えてきているが、ソロ活動が多い。 こどもちゃれんじ! ごりらちゃん E C E ○ !? 平均act0~3ぶっかけ派生の部隊。僻地でよく見かけ、たまに主戦で見かける程度。構成はあまりよくない。 プラトーン おうあちゃん D C C - !オウア 平均act0~5怪しい食堂からの派生部隊。割と主戦で見かけるが、空気といったプレイスタイルがうかがえる。 僕の考えた最強の部隊 聖痕 D E C ○ 【俺】 平均act2~4問題児 お前の物は俺が作った部隊。現在は部隊長が変更した模様。wiki戦士が数名いる。歩兵力はあまり期待できない。 Aerial えくしむ E A F - 平均act0~3僻地でメシウマするのが主な仕事。 +爆発 / 消滅部隊 爆発/消滅部隊(※平均actが4人未満、act0が週7日以上続く場合監視対象 Remote_Place Meltykiss. - - - - - 本稿から削除 ぶっかけ☆かるぴす Mey☆Rin - - - - - 本稿から削除。 まじかる☆本気狩る †みのがめ† - - - - - 本項から削除 ・v・ バリュシエ - - - - - 本項から削除 Re volution 不明 - - - - - 本項から削除。 猪鹿蝶 不明 - - - - - 本項から削除。 ピルクル 不明 - - - - - 本項から削除。 てぽ☆どん Atomic将軍様 - - - - - 本項から削除。 俺達が友愛だ 不明 - - - - - 本項から削除。 ksg そせいし - - - - - 本項から削除。 初心者教育し隊 不明 - - - - - 本項から削除 ムリムリかたつむり 不明 - - - - - 本項から削除 Final_FantaG ФゴルベーザФ - - - - - 本項から削除 乱れ雪月花 Gunbuster - - - - - 本項から削除 Sky_Knights Cross_Bill - - - - - 本項から削除 自由と正義 Blackxxx - - - - - 本項から削除 SE7EN 不明 - - - - - 本項から削除 リーチだし! 池田ァ! - - - - - 本項から削除 ┗│┳│┛人・v・ そせいし - - - - - 本項から削除 Crystal_Garden Julie - - - - - 本項から削除 イーグル祭り 不明 - - - - - 本項から削除 ひよこ 13reeden - - - - - 本項から削除 Legend_of_warriors 乙仔 本項から削除 バルチック艦隊 不明 - - - - - 本項から削除 たまごふりかけ。 Fran. 本項から削除 Clown-of-tragedy 不明 - - - - - 本項から削除 Snow_Angels ☆桂_ヒナギク☆ - - - - - 本項から削除 TEAM_セクロス 不明 - - - - - 本項から削除 ♪ピンクハートLOVE♪ こっこりす 本項から削除 指を刺す! 不明 - - - - - 本項から削除 †One_man_army† グラハム大佐 - - - - - 本項から削除 ☆オナブレイク☆ 不明 - - - - - 本項から削除 圧倒的動物園 圧倒的猫さん - - - - - 本項から削除 両手ヲリマラソン協会 強行偵察員 - - - - - 本項から削除 ◆raviama◆ 不明 - - - - - 本項から削除 Diamondsut xe藤原xe - - - - - 本項から削除 UNION FIGUS - - - - - 本項から削除 ツンデレラ♪ 唯愛 - - - - - 本項から削除 WeekEnd バリュシエ - - - - - 本項から削除 FlashEarthZero★ 堕天使アクア - - - - - 本項から削除 広島Fラン大知的障害部 そせいし - - - - - 本項から削除 Soul_of_Geburand 灼零 - - - - - 本項から削除 DREAM_CLUB がちゃぴそん - - - - - 本項から削除 わくわくフィッシング -白詰草- - - - - - 本項から削除 Winning_horse ピンクちゃん - - - - - 本項から削除 Gゲブペロリスト過激派 不明 - - - - - 本項から削除 SMART_BRAIN 草加雅子 - - - - - 本項から削除 Suitably 西篠拓巳 - - - - - 本項から削除 Prism ARiEL - - - - - 本項から削除 Sa-Sen団 ★Gaze&MaSa★ - - - - - 本項から削除 欧陽菲菲 雪にゃぁ - - - - - 本項から削除 愛と勇気が友達 スモールナイト - - - - - 本項から削除 ゆうしょう シルバーバレット - - - - - 本項から削除 二等兵 シルバーバレット - - - - - 本項から削除 Border_of_Life 電気式華憐佳奈多 - - - - - 本項から削除 Gebrand_Cancer シルバーバレット - - - - - 本項から削除 怪しい食堂 怪しい奴 - - - - - 本項から削除 娘々 ξシェリルξ - - - - - 本項から削除 良Pさんふぁんくらぶ ギルです - - - - - 本項から削除 スターライトロード 電気式華憐佳奈多 - - - - - 本項から削除 December †ゆきのん† - - - - - 本項から削除 雪解けの前に †ゆきのん† - - - - - 本項から削除 コメント 苦情及び更新して欲しい内容は、晒しスレか此方にお書きください。 最新の15件を表示しています。コメントページはこちら 名前
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ピクトグラム演習相互評価 前準備 提出したファイルを開いておく 評価方法 保存した場所へいき、ファイルを開くメッセージが出るが「読み取り専用で開く」を選ぶ 評価を書く注意:感想は書かない! 作品を作った人のwikiページへ移動し、コメント欄を使って評価を書く 「良かった点」「悪かった点」について、「理由と一緒に」書き込む 自己評価を2つ書く1つ目:自分の良かった点と悪かった点 2つ目:ほかの人をみて一番印象に残っている「良かった点」と「その理由」 自己評価が終わったら自分のポスターをもっといいものに改造しよう!
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「当事者って……どういうことだ?」 「そうですね、実際にちょっと試して見ましょうか」 佐藤さんの訝しげな言葉にそうお応えし、マスターさんは視線を佐藤さんの前に座るロゼさんへと移します。 「ロゼさん、と言いましたね」 「……なによ?」 やや不審げなロゼさんの警戒心を解く様に……いえ「たぶらかす様に」笑いかけるマスターさん。 「あなたのオーナーは、どんな方ですか?」 「……はぁ? なんだよそりゃ」 佐藤さんが、不審げな声を上げます。 「どんなって……まぁ一言で言えばバカよね、それも大バカ」 そしてそんな佐藤さんの様子を知ってか知らずか、ごく素直に小悪魔な笑顔で応えるロゼさん。 「てめっ……!」 「まーまー佐藤君、少し黙って聞いてみようよ」 声を上げかけた佐藤さんを、浜野さんが制します。このあたりは、根回しの勝利ですね。 「ほほう、それは一体どのように?」 マスターさんは笑顔でしきりに頷いて、先を促します。 ……ええ、まぁ、現状を一言で語るならば、「釣れた!」といったところでしょうか。 「まずはなんと言っても、考えナシな所よねー。いつもいつも思い付きと勢いでつっぱして、それであとで困ったことになってから後悔してるのよ? だったらまずはちゃんと考えてから行動しなさいって人がせっかく忠告してあげてるのに、全然改めないし」 「それは大変ですねぇ」 「でしょう? 朝なんて人がせっかく起こしてあげてるのに全然起きないし! そんなに眠いなら夜更かしなんてしてないで早く寝なさいっていつも言ってるのに」 「テメーは俺のオカンか!」 たまらず飛び出した佐藤さんのツッコミに、会場からは笑いがこぼれます。ですがロゼさんはお構いナシです。 「それにね、お金に意地汚いのもウンザリよねー。いつも二言目には金がねー、金がねーって。それでバイト三昧だけど、どう考えても無駄遣いをやめる方が先よね」 「そうですね、僕もそう思いますよ」 「でしょでしょ? それからなんと言っても、デリカシーがないのが最悪! レディがいるってのに、お風呂上りにパンツ一丁でうろつくって信じられる?」 「ああ、それはちょっと恥ずかしいですねぇ」 「だらしねぇなぁ」「普段はエラソーにしてるくせに」「辛口ストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「神姫破産か……身につまされるなぁ」「パンツ一丁はいかんよな、パンツ一丁は」「だな、やはり全裸にネクタイが紳士の基本!」「いや、そのりくつはおかしい」「ロゼさん俺も罵ってください」 会場から失笑が漏れ出します。 佐藤さん、奥歯をギリギリと噛み鳴らしつつ、拳を震わせております。と、はたと顔を上げまして。 「って何を勝手に話を進めてやがる! 俺はまだこの勝負を認めたわむぐ?!」 「まーまー佐藤君、ちょっとこのまま見守ってみようか? 大丈夫大丈夫、悪いようにはしないから」 浜野さん、なにやら異様に手馴れた動作で佐藤さんを羽交い絞めにし口を塞ぎます。 さすがにこのあたりで、佐藤さんにも「浜野さんもグル」であることに気付かれたことと思います。 おそらく佐藤さんの脳裏には、「このまま公衆の面前で、ロゼさんにいいようにこき下ろされる」光景が広がっていると思われます。そうして、「武装神姫によく思われていないオーナー」をギャラリーに印象付けて勝負を持っていくつもりだと、そうお思いのことでしょう。 ……お甘いです。 マスターさんの描いたプランは、そんなものでは済みません。すぐに、「その程度で済んでいたら幸せだった」と思い知ることでしょう。うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。 その間にも、ロゼさんの毒舌ショーは続きます。 「学校でも赤点ばっか、補習ばっか! 最初からちゃんと勉強しておけば、一回で済むのに」 「仰る通りですよねぇ」 だとか。 「買い置きのカップラーメン、気付いたら賞味期限を一ヶ月も過ぎてて……それなのにもったいないからって食べちゃうのよ?! 信じられる!?」 「それはまた大らかと言うかズボラと言うか」 だとか。 「服がバーゲンセールのばっかなのは仕方ないわよ? 洗濯はしてもアイロン掛けまではやらないのもガマンするわ。でも、それで年がら年中あのチンピラルックなのはどうにかして欲しいわね!」 「それはそれは」 だとか。 「野菜は食べない、魚も食べない、食べるのは肉とか脂っこいものばっか。きっと内臓腐ってるわよね」 「一人暮らしだと、気を抜くとそうなってしまいますよねぇ」 だとか。 学業の事から日常の些細な手抜かりから服装のセンスから食生活から、マスターさんの合いの手に乗ってありとあらゆる佐藤さんの欠点が次々と暴露されていきます。 なんと言いますか、佐藤さんをこき下ろすロゼさん、ものすごく輝いています。 佐藤さんは必死にそれを止めようと思っていらっしゃるのでしょうが、浜野さんのホールドはガッチリ決まっていて、身悶えしながらくぐもった声を上げることが精一杯のご様子です。 そんな身動き取れない佐藤さん、目で「泣かす。ロゼのヤツ、後で絶対泣かす……!」と力説しております。 「――それでアタシ、アキに言ってやったのよ! 『アンタ本気でバカでしょ?』って!」 「いやはや、そうでしたか」 まぁ、そんな佐藤さんの必死の思いも、絶好調でトーク中のロゼさんには届かない訳ですが。 と、不意にマスターさんが悲しげな表情をつくり。 「……ロゼさんも、大変ですねぇ」 低い声でぼそりと、しみじみと呟くように言葉を漏らしました。 ……第二段階突入ですね。 「……何よ、急に?」 それまで自分の絶好調トークに心地よい相槌を打っていたマスターさんが様子が変わったことに、ロゼさんが訝しむ表情になります。 そんなロゼさんに対し、マスターさんは「心底同情に耐えない」と言う風を装って言葉を続けます。 「いえその……お話を聞いてる限りロゼさんは、欠点だらけで何一つとして良いところのない、本当にひどいオーナーに仕えることになってしまったんだなぁと思いまして。 武装神姫の側から、オーナーを代える事は出来ないのですよね……お察しします」 「………………………………………………………」 あ、ロゼさんムッとしてます。 これはあれですね。自分が虚仮にするのは良いけど、他人が貶すのは気に入らないという、微妙かつ複雑な神姫ゴコロと言うヤツですね。 しばしの沈黙。 そしてロゼさん、なにやら視線を宙にさまよわせてから。 「……まぁ、その……そんなに全然いいとこなし、って訳でもないのよ?」 そっぽを向きつつ、先ほどまでの滑沢な語り口とは打って変わった歯切れの悪い言葉で、ぼそぼそと言いました。 よい反応です。ですが、マスターさんの追撃は手を緩めません。 「そうなのですか?」 言葉こそ短いものの、とても疑わしげな口調です。言外に「とてもそうとは思えませんけど」という追加音声まではっきり聞こえてきそうな、それほどまでに疑わしげな口調です。 「………………………………………………………」 あ、ロゼさん唇を尖らせています。 また数秒、視線を泳がせてから。 「まぁアキはバカには違いなんだけど……バトルに関してだけはちょっとしたものよね」 今度のお言葉もやや歯切れは悪いながら、先ほどよりもややムキになっていらっしゃる印象を受けるのは私の気のせいでしょうか? おそらく同じ事をマスターさんも感じ取ったのでしょう。沈んでいた表情を明るくし、深く頷きます。 「ああ、そうでしたね。確かこの店で一番の連勝記録をお持ちだとか」 「ええ、そうなのよ!」 ロゼさん、ぱっとお顔を輝かせ、勢い込んで応えました。 「バカアキがデータ確認をサボったお陰で30連勝は逃しちゃったけど、ま、すぐに塗り替えて見せるわよ」 「おや、やっぱり佐藤さんはロゼさんの足を引っ張っていらっしゃる? 不甲斐ないオーナーですねぇ」 「………………………………………………………」 あ、ロゼさんますます唇を尖らせています。 そして今度は視線をさまよわせず、ややマスターさんを睨むようにして。 「……実際に戦ってるのはアタシだけど、作戦とか指示を出してるのはアキだし」 「ほほう、ロゼさんほどの武装神姫が従う、それほどのものであると?」 さりげなくロゼさんと佐藤さんの両方を持ち上げるあたり、さすがはマスターさんです。 果たしてロゼさん、幾分か表情に柔らかさを取り戻しまして。 「ええ、たまーにヘマもするけど、アキの指示は確実だもの」 『たまーに』の部分が必要以上に強調されていたように聞こえたのは、私の気のせいでしょうか。 「ほほう。確かに先ほどお手合わせしていただいたときは、お見事な戦いぶりでしたね。 いやはや、駆け出しとしてはあやかりたいものです」 「ふふん? 知りたい? 教えてあげよっか?」 「おや、教えていただけるので?」 「ええ、構わないわよ」 そう言って、イタズラっぽく微笑むロゼさん。 「簡単なことよ。アキはね、一戦一戦を細かくデータにとって残してるの。その蓄積と分析こそがアタシたちの強さの秘訣って訳。真似できるものならしてごらんなさいな♪」 「なるほどなるほど。確かに僕たちが真似しても、一朝一夕で追いつけるものではありませんね」 「それだけじゃないのよ? アキは装備の分析だってしてるんだから!」 「ほほう、と仰ると?」 「公式販売されてる武装なら一通り……個人作製のだってめぼしいものにはしっかりチェック入れてるのよ!」 「もしかして……全部買っているのですか?」 「ええ、だから情況に応じて装備を選んでくれるし、敵が使ってきたときの対策だってバッチリってワケ」 「それは……すごいですねぇ」 わりと演技でなく驚嘆する、武装購入は節制中なマスターさん。 私もびっくりです。 現在のラインナップを全て揃えようと言うならば、いったいどれだけの資金が必要か……先ほどバイト三昧なのに常々金欠状態だと仰っていましたが、それも当然でしょう。 と言いますか、そうまでしてでもロゼさんに最上の状態を保たせようとする気概には感嘆するばかりです。 私たちの感嘆を受けて、ロゼさんもすっかり機嫌を直されて得意満面です。 「もちろん、どれも飾りじゃないのよ? どの武装だって弾薬代とかケチらずに、アタシが納得いくまで使わせてくれるし。整備だって完璧に仕上げてくれるし!」 闊達そのものに笑うロゼさんに、マスターさんは感心するように、何度も頷きます。 と、少し小首を傾げまして。 「ところでずっと気になっていたのですが、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」 「ん、なに?」 マスターさん、すっとロゼさんの胸元を指差します。そこには、薔薇と剣をあしらわれたエンブレムがマーキングされています。……たしか、GA4アームの肩やサバーカの側面などにも同じものがあしらわれておりましたね。 「その胸元に描かれているエンブレムですが、それはもしかしてオリジナルデザインでしょうか?」 「ああ、これ?」 ロゼさんが、自分の胸元を見下ろし、すぐに顔を上げます。 そのお顔は、今まで以上に輝かんばかりの笑顔です。 「そうよ、アイツがデザインしたのよ。あんな顔してるクセに! ケッサクよね!」 言いながらロゼさん、両手の人差し指を逆ハの字に目の上にかざしました。 「まったくバカみたいでしょ、こーんな顔して真剣になってモニター覗いてさ。 アタシがもう十分って言うのに、いつまでもいつまで手直しすんのよ。 まったく、そんな1ドットや2ドットいじたって変わらないって言うのに、些細なことにこだわっちゃってさー。 ま、その甲斐あって、まぁまぁ見られるエンブレムにはなったけど?」 そんな言葉とは裏腹に、そのエンブレムを誇示するように胸を張り、とてもとても嬉しそうなお顔と口調で語るロゼさんが微笑ましくて仕方ないのですが。 「ま、要するにアキにだって取り得の一つや二つはあるってことよ」 「なるほどなるほど。大事にされてるようですねぇ」 「そうね、まだまだ不足もいいところだけど、とりあえず扱いはそんなには悪くはないかな?」 いえそんな、幸せ絶頂なお顔で言われましても。 と言いますかロゼさん、今の貴女は佐藤さんをこき下ろしていた時よりも何倍も輝いてることに、ご自身でお気づきなのでしょうか? 佐藤さんも、いつのまにやら暴れるのをお止めになっております。 「なるほど、それは素晴らしいですねぇ。いや先ほどは、何も知らずに失礼なことを言ってしまったようで申し訳ありませんでした」 すっかり上機嫌のロゼさんの様子に、わりと素で微笑ましげに目を細めるマスターさん……ですがすぐに作戦を思い出し、すっと俯き思わせぶりに呟かれます。 「ですが、ですねぇ……」 「ん? どうしたの?」 「あー、いえ、別に大した事では……」 「なによ、気になるじゃない」 気になるのでしたら、まさしくマスターさんの術中です。 「いえその、思い過ごしだとは思うのですがね……」 「だから何よ」 「いえ、バトルについて佐藤君が真摯なのは分かりました。先ほど仰っていたバイト三昧も、武装を揃えるための努力とお見受けします。オリジナルエンブレムを一生懸命に考案するあたり、ロゼさんのことを大切にもしているのでしょう。ですが……」 タメ一秒。 「お話を聞いてると、バトルに関してのことばかりだな、と。もしかして、バトルを楽しむためのユニットとしては重宝していても……」 タメ三秒。 「佐藤君は、ロゼさん自身のことはをちゃんと見ているのかな、と思いまして」 「………………………………!」 目を見開き、愕然とした表情で絶句するロゼさん。 いや、まぁ、武装神姫に対して『オマエ実は可愛がられてないんちゃうか』と言う発言は、死刑宣告にも等しいですから仕方ありません。 想像するだけでもこちらまで身震いします。 ……おや? 絶句していたロゼさんも、なにやら身震いを。 「そ……」 そ? 「そんなことないもん!!」 ないもん、と来ましたか。 マスターさんが、ちらりとこちらに目を向けられました。 『堕ちましたね』 『堕ちましたな』 そんなアイコンタクトを一瞬で成立させる私たち。 それはともかく魂の叫びを発露させたロゼさん、そのまま怒涛の勢いで必死に訴えます。 「バトル以外でだって、アキはアタシのこと大切にしてくれるもん! こないだだってアタシが『かわいい服が欲しい』って言ったら、メイド服一式を全色揃えてくれたもん!」 「そこでメイド服がくるか」「なんだよアイツメイド属性かよ」「メイドストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「いきなり全色はやりすぎだろう」「アイツもキャッキャウフフしてるんじゃねーか」「でも、なんか親近感沸くなぁ」「ふ、判っていますねあの青年は。女性を彩りその魅力を最大限に引き立たせる服装といえばメイド服を置いて他にありません。かわいい服を要求されたならメイド服で応える事こそ正解! いえメイド服以外を宛がう事は罪! メイドこそ夢! メイドこそ正義! 夢こそドリームで正義こそジャスティスであり即ちメイドこそ真理! メイドこそ絶対不変なる全宇宙唯一の黄金郷なのです!」 ロゼさんによるオーナー性癖の暴露にギャラリーの皆さんがひそひそひそひそと呟きを交わします。 ……なにやら毛並みの違う方も混ざられているようですが、それはさておき佐藤さんの方も再び浜野さんの腕の中で暴れだしました。 ……そのお顔が真っ赤なのは激しい抵抗を続けているから、だけではないと思われます。 「それにこの間だって、アタシが動物園見たいって言ったら連れてってくれたし! わざわざ、バイト仲間にペコペコ頭下げてシフト代わって貰って時間の都合つけてくれて! お土産に、こーんなでっかいぬいぐるみだって買ってもらえたんだから!」 それでもなお、ロゼさんの暴走は止まることなく「いかに佐藤さんが自分を大切にしてくれているか」を大熱弁です。普段の余裕な雰囲気もどこへやら、すっかりイイカンジにアクセルベタ踏み状態ですね。 「アタシは『お金大丈夫なの?』って聞いたのに、『そんなに抱えこまれたら、今更ダメとも言えねーだろうが』って笑ってくれたし!」 もはやマスターさんも相槌を打っていませんが、ロゼさんの大熱弁は止まりません。 まぁ、それも当然でしょう。 普段、口ではどんな風に言っていようが、所詮は武装神姫。 思考プログラムの根幹にオーナーへの忠誠心を持ち、それでいてそうした強い感情を制御するには武装神姫の精神は人間に比べてずっと純粋で未発達です。 簡単に言えば「武装神姫なんてどいつもこいつも、オーナーのことが好きで好きでたまらない連中ばかりで、隙あらばオーナー自慢をしたくてウズウズしてるに決まってる」と言うことです。 そこを、マスターさんの「押せば引き、引けば押す」巧みな誘導でつつかれたら、もうたまりません。暴走もさもありなん、です。 ほら人間だって好きなことを語り出したら、止まらないものじゃないですか。 「でもそんなこと言って、あとでこっそりバイト増やしてるの、アタシ知ってるんだからね! 睡眠時間まで削ってバイトすることないじゃない!」 なにやら方向性が微妙にズレてきています。が、その根幹にあるのは、変わらずオーナーへの愛。 む、言葉にするとなかなかに照れますね。 「しかもその上夜更かししてまで解析とか分析までやってたら、いつか身体壊しちゃうに決まってるじゃないの! 食事だってロクなの食べないくせに! そんなの絶対ダメなんだからね!」 いやしかし、ロゼさんのデレモードは凄まじいですな。 「プレゼントも嬉しいけど、それよりもずっと一緒にいてくれるだけで十分なんだから、無茶なバイトとかするよりも、一緒にいて欲しいの!」 ご普段がご普段だけに、「私ツンデレ、デレるとすごいンです」と言わんばかりの惚気っぷりです。 ……面白いので、この光景は高音質・高画質で保存しておくこととしましょう、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。 「むー! むがー! むぐー!」 「まーまー佐藤君落ち着いて落ち着いて。面白くなってきたところだからさ、ね?」 今までにない必死なご様子で抵抗する佐藤さんも、浜野さんのやたら堅固なホールドの前にはむなしくうめき声を上げるのみです。 先ほどの「『このまま公衆の面前で、ロゼさんにいいようにこき下ろされる』で済めば幸せだったと思い知る」と言うこと、ご理解いただけたでしょうか? マスターさんは「あの手のタイプは、貶されるよりも、手放しで賞賛される方が効くんです」と仰っておりましたが、なるほど抵抗は激しさを増すばかりの佐藤さんのご様子を見ると、まさにその通りであったようです。 あー、いえ、別に佐藤さんを辱めることが目的ではないのですよ? 『佐藤君は、やはり悪い方ではないようです。なのになぜ周囲から孤立しているかと考えれば…… 当然、"誤解されてるから"ですよね』 この三本目の始まる前、浜野さんと私を前にして、マスターさんはそう説明してくださいました。 『誤解をそのままにしておくのは、佐藤君にとっても周囲の方々にとっても、よろしくないでしょう』 『ウチの店にもね』 冗談めかして言葉を挟んだ浜野さんに笑いかけると、マスターさんは言葉を続けました。 『でしたらこれもご縁ということで、手っ取り早く誤解を解かせていただきましょう』 マスターさんのお言葉に、『これも縁だと思って』と佐藤さんとの対戦を勧めた浜野さんが小さくお笑いになりました。 『なに、簡単なことです。彼の本心を周囲に明かしてしまえば、それで済むはずです。そのあたりを、存分に語っていただきましょう』 そこでマスターさん、ややぎこちないながらも愛嬌のあるウィンクを致しまして。 『この場にいる皆さんにとっては、ご本人に語っていただくよりも説得力のあるお方に、ね』 つまりはそういうことです。 ロゼさんの暴走を誘発し佐藤さんの褒め殺し(誤用)を発生させたのは、孤立しがちのようであった佐藤さんを『周囲の皆様と』和解させる、和解プランのあくまで「手段」なのです。 そしてその成果はと言いますと。 「なんだかんだ言って、あいつも武装神姫を大切にしてたんだな」「ロゼちゃんも慕ってるみたいだし」「デレモードストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「いけすかねぇバトルジャンキーだと思ってたけど……」「ちょっと佐藤のこと誤解してたかも」「あれか、『武装神姫を愛するやつに悪いやつはいない』ってやつか」「もっと話し合ってみてもよかったかな」「そーだなー」 いやはや、プランは怖いくらいに順調に進行中です。 佐藤さんともどもロゼさんを手玉に取り、情況を思い通りに動かしていくマスターさんのお手並み、感服する他ございません。 マスターさんは、敵に回すべきではございませんね。いやもちろん、叛意を抱こうなどという気持ちは毛頭ありませんが、仮にそのような二心を抱いても、私如きではかなうはずなどありません。 ……ちなみに。 マスターさんによれば、このような公開羞恥プレイじみた手段をとらずとも、時間をかける事さえ出来ればもっとスマートなやり方もあったとの事。しかしあえてこういった荒療治を選択した理由はと言えば。 『まぁ本意はどうあれ、犬子さんを侮辱されたのも事実です。その分の溜飲くらいは、下げさせてもらいましょうかね、くすくすくすくすくすくす』 いやはやまったく、マスターさんを敵にすべきでありませんよ、本当に。 と言うわけで、本心はどうあれ敵対してしまった佐藤さんには、存分に堪能していただきましょう。うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。 「いつもいつも乱暴な言い方して嫌われて、それで後悔する位なら、余計な口なんて効かなければいいのにっていつも言ってるのに!」 「むぐっ! むががっ! むぐー!」 「アタシはアキの本心わかってるからどんな言い方されてもいいけど、他の人はそんなに察しはよくないの! ううん、アキのせっかくの善意も判らないようなヤツらに、アキの忠告はもったいないんだから!」 「むがむぐ! むぐぐー!」 「そうよ、アキの判断は日本一、ううん、世界一なんだから! アタシは知ってるもの、だってずっとアキの指示に助けられてきたんだもん! この間だってね―――」 「むがー! むががー!! むぐぅおおおおおおおおぉぉおおおおおおおおおお!!」 そんな、ロゼさんの「いかに佐藤さんが素晴らしく、自分がいかに佐藤さんを大切に思い、なおかつ大切に思われてるか」の大熱弁は、佐藤さんのうめき声をBGMに、勢いを衰えさせることなく10分ほど続いたのでした。 そして、兵どもが夢の跡。 10分が経過したステージ上では。 至極上機嫌な浜野さんがにこやかに笑い。 興奮状態が続いたためにオーバーフローを起こされたらしいロゼさんが、焦点の定まらぬカメラアイでペタンと座り込み。 精神的にも肉体的にもギリギリまで追い詰められて疲労困憊な佐藤さんが机に突っ伏して肩で息をし。 そんな彼らをギャラリーの皆さんがやたら温かい笑顔で見守る。 そんな情況が展開されております。 『はーい、では三本目のオーナー自慢勝負ですが』 浜野さんが、再びマイクを手に司会を始めます。 どうでもいいですが、アレはそんな勝負でしたか。 『佐藤君はご覧の通りの有様で、これ以上の続行は難しそうです』 ギャラリーの皆様からは自然と、佐藤さんの健闘(?)を讃える拍手がこぼれます。 『さて、どーしましょうかね?』 「どうしましょうか?」 「どういたしましょう?」 正直なところ、もう既に私たちの目的は全て達成しているのですよね。 私が、『何も出来ない』武装神姫でないことは暗算勝負において証明し。 佐藤さんと周囲の方々の溝も、ロゼさんのご活躍によってある程度は埋まり。 ついでに、私どもの溜飲も、十分に下げさせていただきました。 ですので、これ以上続ける理由は、既に私達にはないわけです。 「そうですねぇ。僕としては、このまま試合終了と言うことにしてもらっても構いません。 なんでしたら、僕達の方の試合放棄で佐藤君たちの勝利という形にしていただいても……」 「まーだーだーっ!!」 不意に佐藤さんが再起動されまして、そう叫びつつ立ち上がり、びしっと私たちを指差します。 「今更負け逃げなんて許すかー! オーナー自慢、お前らにもきっちりやってもらうっ!!」 ……なんと言いますか、佐藤さんからは「死なばもろとも」というオーラが出ています。 これはあれですか。自分たちが晒し者になった以上、私たちにも同じ辱めを受けさせねば溜飲が下がらぬと言う、そんな心理でしょうか。 実に後ろ向きですね。 ですが、まぁ……佐藤さんの瞳は真剣そのもので、こちらも同じ事をせねば収まらないご様子です。 確かに一応は勝負の体裁をとっている以上、こちらも同じ事をするというのも道理ですし。 私はマスターさんを振り返ります。 マスターさんも同じお気持ちらしく、やや苦笑いのご表情ながら、頷いて下さいました。 『はいではー、話もまとまったところで、今度は犬子さんのオーナー自慢、いってみましょー』 ギャラリーの皆さんから、拍手が沸き起こります。 仕方がありません。今度はわたしの番と言うことで。 とはいえ……私はちらりと、ロゼさんに目を向けます。 ロゼさんはまだ再起動を果たされていないようで、焦点の定まらぬカメラアイでぼんやりと俯いていらっしゃいます。 ……あまり野放図に行くのも問題ありですね。 私までもが暴走しないためにも、佐藤さんほどにマスターさんを晒し者にしないためにも、リミッターを設定しておくとしましょう。 適当にオーナー自慢をこなしさえすればそれで収まるでしょうし、その結果ロゼさんのオーナー自慢に及ばず敗退となったとしても、もはやこの局面になったなら、勝敗を争うことに意味などありませんし。 そうですね、まぁ50%程度に設定しておけばよいでしょうか。 こほん。 「では、僭越ながら……」 ……ふと、我に返りました。 思考回路ステータスの状態が限りなく最悪に近い状態を示していて、現状の把握がうまく出来ません。 気が付くと、体内時計はあれから30分ほど経過していることを示しています。 この30分の間のことを思い起こそうとするのですが、なにやらログデータにノイズが多く、はっきりとしません。 断片的に残ったデータでは、どれも私がマスターさんを褒めて褒めて褒めて褒めちぎっておりまして、ドッグテイルはどの時点でもMAX稼動で、そこに時折マスターさんの「もういいですよ」「それで十分ですから」「そろそろその辺で」「あの、犬子さん?」といった制止のお言葉が混ざっておりますが……。 一体、現状はどうなっているのでしょう? 私は、稼働率が著しく低下してる思考回路をなんとか騙し騙し回転させつつ、周囲に目を向けます。 その結果、目に止まったものは……。 塩の柱と化しているギャラリーの皆さん。 お口から魂が抜け出ているかのような佐藤さん。 真っ赤なお顔で俯いているロゼさん。 苦笑いの表情をされている浜野さん。 それから……。 「もう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してくださいもう勘弁してください」 土下座で――座礼ではなく、正真正銘の土下座でうわ言のように「もう勘弁してください」と繰り返すマスターさんのお姿でした。 えーと……。 何かを言うべきだ、現状を何とかしないといけない、とは思うのですが、霞がかかったような今の私の思考回路では、何を言えばいいか、どうすればいいかがうまく判断できません。 そんなオーバーフロー気味の思考の中で、とりあえず私は。 「……今度同じ機会があったら、リミッターは25%に設定しましょうかね……」 そんなことを呟いてみるのでした……。 その後のことを、少しお話しせばなりません。 結局佐藤さんとの勝負は、両者戦意喪失と言うことで無効試合となりました。 もともと勝敗にこだわっていたわけでなし、遺恨を残さないという意味では願ったりの結末と言えるでしょう。 ええ、もちろんあそこまでマスターさんを辱めることになるなどとは、私たちのどちらも想像などはしていなかったのですが……。 なんと申しますか、佐藤さんともども多くのものを犠牲とした、当事者たちには凄惨極まりない争いでした……。 願わくば、失ったモノに値する何かを手に入れることが出来たと信じたいところです、ええ……。 それぞれの方々はといいますと。 「はははは、二人ともお疲れ様ー」 浜野さんは、いつも通りです。 あの後も、再起動しないままの私たちを手早く撤収させ、ステージも効率よく片付け、通常業務に戻られました。 お仕事は本当に大丈夫だったか、と後に改めてお聞きしたところ、「盛り上がったからいいんじゃない?」と、実にあっけらかんとしたお答えが返って来ました。 とはいえ実際、もともと佐藤さんの30連勝を祝うゲリライベントの企画はあったとの事で、ちょうどいい穴埋めイベントになったとか。 そう言っていただけると、色々とご面倒をかけてしまった手前、多少は気が楽になります。 今日も浜野さんは、にこやかにフレンドリーにお仕事をこなされる事でしょう。 「まぁでも……オーナー自慢はほどほどにね?」 最後にそう、しっかりと釘を刺されてしまいましたけれども。 「よう、ツンデレコンビ」「調子はどうだツンデレコンビ」「ツンデレストラーフたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「頑張れよツンデレコンビ」「応援してるぞツンデレコンビ」「なんか困ったことあったら言えよツンデレコンビ」 「「ツンデレコンビ言うなーっ!!」」 佐藤さんたちは、あれから大分周囲の態度が軟化したようです。 あれだけ赤裸々に心のうちを暴露されて誤解も何もなくなった上に、あれやこれやの恥ずかしい秘密の数々に、共感を覚えた方々がいらっしゃってのことのようです。そういった方々から親しく声をかけられるようになり、今ではすっかり地元馴染みの期待のエースとなっております。 その寄せられる期待の中に、弄られキャラとしてのものもあるのがご本人たちには不満なご様子ですが、それもまた有名税と言うことで諦めていただきましょう。 私たちともその後親しくして頂き、何度もアドバイスをいただきました。 相変わらず言葉は乱暴ですが、そうと心得ればそれもアドバイスと読み取れるものでして、特に腹を立てることもなくありがたく受け入れております。 そしてあの方々自身も、再び30連勝に向けて意欲的に取り組んでいるようです。 もともと実力のあるお方たちです。今度こそきっとそれを成し遂げてくれることでしょう。 そしていずれ、周囲の期待に応えて全国区に名前を轟かせてくれることと信じております。 ……そうして程よく名が広まった頃を見計らって、例のデレモード動画をこっそり流出させることにいたしましょうか。 うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。 そして私たちはといえば。 「作戦上の演技とはいえ、佐藤君を貶しロゼさんを弄んでしまった、その因果応報でしょうかねぇ……ふふふふふ、いや『人を呪わば穴二つ』とはよく言ったものですよ……」 「申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません!」 「あはは、あは、そんな謝らなくても、もう気にしてませんから、犬子さんもお気になさらず…… ……と言いますか、もうこの話題には触れないようにして頂けると、いえいっそもう全部忘れてもらえたら有難いのですねぇ、あははは……」 思考回路が完全復旧し自分のしでかしたことを認識した私は、それこそ全身の電圧が下がる想いで正真正銘の土下座で許しを乞うたモノです。 寛容にもマスターさんには快くお許しはいただけましたが、私が『同じ機会があったら今度は25%で』というお話をしたところ、即座に『5%でお願いします』と切り返されたことが印象深いです。 ……私はマスターさんに対し、一体どれほどの羞恥プレイを強いたのでしょうか。 想像するだに空恐ろしく、確かめることなどとても出来そうにありませんです、はい……。 申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません……! あとはいつも通り……と言いたいところなのですが、じつはささやかな変化がありまして。 いえ、まぁ、大した事ではないのですがね……。 私たちが誤算していたことに、自分たちは単なる一介の武装神姫とそのオーナーだと思っていたのですが、どうやら潜在的な知名度はそこそこあったらしいのです。 もちろん「名前が知られている」だとか「敬意を払われている」と言う情況には程遠いのですが、敗戦のたびに(つまりバトルのたびに、です、とほほ)休憩スペースで神姫に正座させて向かい合って深々と頭を下げあうコンビは、私たち自身が思っていた以上にご周囲の印象に残っていたらしく、「ああ、あいつ等またやってるなぁ」くらいには存在が知られていたとのことで。 それでもそれだけならばあくまで潜在的な知名度に留まっていたところを、今回の大立ち回りで一気に神姫センターの皆様に名前が広まり、すっかり顔を知られたちょっとした有名人状態となってしまったのです。 それも……。 「よう、土下座ハウリン」「調子はどうだ土下座ハウリン」「土下座ハウリンたん(;´Д`) `ァ `ァ 」「頑張れよ土下座ハウリン」「応援してるぞ土下座ハウリン」「なんか困ったことあったら言えよ土下座ハウリン」 「ご、ご声援……ありがとうゴザイマス……!(引きつった笑み)」 ……本気を出し(て惚気)たら、自身のオーナーすらも土下座で『もう勘弁してください』と平謝りさせる、 キョーフの<土下座ハウリン> の二つ名と共に……です。 ……ええ、これはあくまで自分の行為の結果です。 些か不名誉で納得のいきかねる二つ名ですが、それも甘んじて受け入れましょう。 ですが。 ですがどうか後生ですから、この二つ名の成立のいきさつだけは、何卒御内密にお願いしまする……っ! 神姫三本勝負とはっ! とあるローカル神姫センターが発祥と言われる、 オーナー間あるいは武装神姫間で揉め事が発生した際、 一本目の勝負に負けたオーナーが、 二本目に自分に有利な勝負を提案、 それを以ってイーブンとした上で、 三本目には武装神姫自身にオーナー自慢をさせ、 当事者及び周囲の毒気を抜き、 全てをうやむやのうちに鎮静化させる、 限りなく出来レースに近い あくまで『平和的解決手段』でありっ!! 『決着方法』ではなかったりするっ!! <その15> <その17> <目次> ○今回のエピソード作成に当たり、多大なるご尽力いただいたALCさまに、改めまして厚く御礼申し上げます。
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鋼の心:外伝 ~Eisen Herz~ 扉の向こうには喧騒がある。 騒ぐ少年の声。はしゃぐ少女の声。 お祭りのような、心地の良い騒々しさ。 誰もが笑い、誰もが歓喜するそんな空間。 だからいつも思ってしまう。 この扉を開ければ、きっと………。 そんな事、叶うはずも無いと知っているのに、希望だけは捨てられなかった。 そんなはかない希望でも無くては、もう、耐えられはしなかったから。 扉を開ける。 世界は静寂に包まれた。 ぷれころ(美空編) 伊東美空の父親はヤクザだった。 伊東観柳斎。近隣を支配する伊藤組の組長である。 対外的には建設会社伊藤組。あるいは伊東建設をはじめとした、様々な事業を展開する総合企業の社長である。 そういう意味では美空は社長令嬢とも言えた。 だがしかし、噂は残酷にも真実を抉り出す。 『伊東美空の父親はヤクザだ』 そんな噂が流れれば、もともと口下手で人付き合いの下手な美空は、あっという間に孤立した。 話しかける者は居なくなり、誰もが彼女との接触を控えるようになった。 生徒のみならず教師まで。 彼らを責める事は出来ない。 もともと寂れた漁港であった天海市は、近年の大規模開発により精密機器を扱う日本有数の工業地帯として生まれ変わった。 漁港も大幅に改装され、漁船が消えた変わりに工業製品を運ぶ貨物船が錨を降ろすようになった。 住人も大部分が入れ替わり、生徒も教師も長年この地に住み着いたものではなく、移入して来た者たちが大半となる。 彼らにとってのヤクザとは、愉快なお祭り好きの集団でも、消防や警察的な活動をする自警団でも無かった。 単純にして忌避すべき暴力集団。 それは他所においては全くの事実だったのかもしれない。 だから、彼らが伊藤組を恐れたとして、その娘である美空を恐れたとして、彼らを責めるのは酷と言うものだろう。 唯一つ、彼らに罪があるとすれば、伊藤組の、美空の、噂ではない本当の姿を見ようとしなかった事だろう。 未だ幼い美空にも、自分が孤立する原因はすぐに分かった。 それでも他人に働きかけられるぐらい強い娘であれば、いつかは解決した問題なのだろうが、美空にその強さは無かった。 彼女が取れる解決策は一つだけ、父親にヤクザを止めてもらう事だけだった。 ―――ピシッ!! 頬を叩かれた感触より先に、耳元でした破裂音の方が信じられなかった。 『お嬢、そいつはいけません』 痛みは無い。 『この辰由、一生のお願いでありやす』 辰由に、いつでも自分を守ってくれた辰由に…。 『そいつだけは、どうか親父さんには言わないでやって下さい』 絶対に自分の味方である筈の辰由に叩かれた。 そして。 『………どうか、…お願いです』 辰由が、土下座をして頭を下げている。 どんなワガママも苦笑しながら何とかしてくれた辰由が、それだけはダメだときっぱりと示したのである。 ならば。もはや美空に打つ手は無かった。 諦める他、無かった。 永倉辰由が、そして多くの人間が…。 伊藤組によって、伊東観柳斎によって救われていた事を、美空が知るのはまだ先である。 扉を開ける。 喧騒は消え、静寂と視線が美空に突き刺さる。 この扉は警報だった。 美空が入ってくるのを知るための警報。 それを期に、喧騒は静寂と小声の会話に切り替わる。 美空は俯いたまま、静かに最後列の窓際に座った。 そこが彼女の指定席であり、その周囲はクラスの誰もが忌避する席だった。 …耐えるしかない。 辰由にさえどうにも出来ない事だ。 小さな美空にどうにかできる訳も無い。 …耐えるしか、無かった。 他に方法を知らなかった事もある。 そして皮肉にも、変えるだけの心の強さはなくても、耐えるだけの心の強さはあったのだ。 だから、登校を拒否する事も、不平を言う事も無く、耐えてしまった。 耐えられているがゆえに、誰も気が付かなかった。 …もう、美空が限界だと言う事に。 世界は悪意に満ちている。 家と、そこに住む者だけが唯一の味方で。 なのに、彼らが味方であるがゆえに、彼女は孤立する。 結局のところ、誰も悪くは無いのだ。 父親と、家族(組員)達の評判も。 教師の不理解も。 子供達の忌避感も。 それを植えつけた親達が抱く恐怖も。 結局のところ、誰も悪くない。 単に、美空の運命がそういうものなだけだ。 でも、もう美空には耐えられそうも無かった。 もうこれ以上、一人ぼっちで居る事に、耐えられそうも無かった。 土曜の夕方。 美空は公園でブランコに腰掛ける。 小学校の高学年ともなれば、もはやブランコで遊ぶ事も無いのだが、そもそも友達と遊んだ事の無い美空にはどんな遊具も新鮮なものだ。 始めは単に遊ぶ子供たちを眺めていただけ。 それでも、それが美空だと言うだけで。…やがて、公園で遊ぶ子供は居なくなった。 今やこの公園は美空のものだ。 誰も居ない孤独な王国。 …違う。 美空が欲しいのは、こんな物ではなかった。 「貴女、貴女。何をしてますか?」 「え?」 不意に話しかけられ、美空は慌てて顔を上げる。 家の外で誰に話しかけられたのは久しぶりだった。 誰だろう? 「………?」 誰も居ない。 幻聴と言う奴だろうか。 「ほんとに、もうダメなのかな………」 ポツリと呟く美空に再び声がかかる。 「下です、下。足元、足元ですのよ?」 「え?」 言われるままに下を向くと、そこには人形が居た。 「ようやく気付きましたの?」 「人形が喋ってる…」 「人形じゃありませんわ。神姫、神姫です!!」 神姫と名乗った人形はそんな事を言いながら手足をばたつかせる。 暴れているつもりの様だ。 綺麗なツインテールの赤毛がふりふりゆれる。 「うわぁ………」 思わず抱き上げた美空に驚き、人形は更にじたばた暴れ始めた。 「降ろしなさい、降ろしなさい。無礼ですわ!! 非礼ですわ!!」 とりあえず離れたくなかったので、膝の上におろしてみる。 「全く全く。私とした事がこんな子供に、こんな子供に捕まるなんて。何たる油断、何たる迂闊」 「人形さん。どうして喋ってるの?」 「人形じゃありませんわ。違うのですわ。神姫、神姫なのですわ!!」 「神姫さん?」 「違います、違いますの!! 私の名はストレリチア!! ストレリチアという立派な名前があるのですわ!!」 「すとれちあ?」 「ストレリチア!! ストレリチアですわ!!」 「すとれいちあ?」 「違うのです、そうじゃないのです!! ストレリチア!! ストレリチアですってば!!」 「…す、すとれりちあ?」 「そうですわ、正解ですわ。やれば出来るじゃないですの。上出来じゃないですの!!」 嬉しそうにニコニコする人形。 「さて、名前を覚えてもらった所で質問ですわ、お尋ねですわ」 「…?」 「天海中央通りにあるセンタービルへ行きたいのです、行かねばならぬのです!!」 「センタービル? レストランのある所?」 「レストラン…? ………ああ、確かにあるのです、存在するのです。そこに違いないのです、確定なのです!!」 「センタービルに行きたいの?」 「そうですわ、その通りなのですわ」 人形は、ブランコに座る美空の膝の上でうんうんと頷く。 「そこで貴女にセンタービルまで案内させて上げますわ、してもらいますわ」 「………うん。いいよ」 誰かに物を頼まれるなんて久しぶりだ。 必要とされるのなら、どんな願いだって聞いてあげたかった。 「私のマスターと言うのが、これはこれはさびしんぼなのですわ。一匹狼なのですわ」 美空に抱きかかえられたまま、人形は良く喋った。 聞いてもいない事を自分からいっぱい話し、美空を飽きさせない。 家族以外と話すのは久しぶりの事だ。 美空も悪い気はしなかった。 「おまけに人相も悪いのですわ、悪人面なのですわ。まるで何処かの海賊なのですわ、眼帯女なのですわ」 「へー」 「ああ…。でもお人好しなのですわ、善人なのですわ」 悪人面の善人。 美空にはちょっと想像がつかなかった。 「この前なんか、横断歩道でおばあさんの荷物を持ってあげようとしたら、メチャクチャ怯えられてましたのですわ、大笑いですわ」 そりゃ、眼帯の人がいきなり荷物をお持ちしましょうか? とか言ってきても怖いと思う。 そのおばあさんも難儀なことだ…。 「おまけにウッカリ者なのですわ、そそっかしいのですわ。私達が着いていないと心配なのですわ、不安なのですわ」 …おまけにウッカリさんらしい。 「この間なんか、バイクの鍵をトランクルームに閉じ込めちゃって半泣きになって抉じ開けてたら、おまわりさんに見つかって職質されたのですわ、バイク泥棒と間違われたのですわ、お間抜けなのですわ」 …想像以上にウッカリさんらしい。 「…貴女、その人のこと好きなんだ?」 「もちろんですわ、当然ですわ。私の唯一人のご主人様なのですわ」 人形、ストレリチアはそう言って微笑んだ。 「ああ、見えて来ましたわ、発見したのですわ」 人形が指差すのは件のセンタービル。 「これでようやくマスターと落ち合えるのですわ、合流できるのですわ」 そう言って、人形は美空の腕から飛び降りる。 「あ…」 「ここまで来れば大丈夫なのです、問題ないのです。あとは一人でマスターを探すのです」 ぺこり、とお辞儀をする人形。 それはまぎれも無く別れの挨拶だった。 「ま…。まって!!」 「?」 「…あ、あの…。も、もう少し…、一緒に…。…居たい」 「………」 何かを考えるような人形の目。 そして、人形は口を開く。 「ごめんなさい。私はマスターの神姫なのです。…だから、貴女とずっと一緒に居る事は出来ないのです、不可能なのです」 「………」 「………」 沈黙がその場を支配した。 「………。ありがとうございました」 そう言って、今度こそ人形は雑踏の中へ消えてゆく。 何も言い残さなかったのは多分、二度と会うことの無い少女へ、未練を残さぬため。 …未練を、“残されぬ”ため。 それがきっと、その神姫に出来た唯一の誠意だった。 「………」 失意の美空は呆然と街を見る。 先程まで二人で居たときと同じ景色なのに、それは妙に色あせた味気ないものに見えた。 「………!!」 そして、それが目に飛び込んできたのは只の偶然。 だがしかし、美空の目に確かに映る四文字は『武装神姫』と見えた。 『ごめんなさい。私はマスターの神姫なのです。…だから、貴女とずっと一緒に居る事は出来ないのです、不可能なのです』 彼女はそう言って去っていった。 ならば、もし…。 「…私の神姫だったら?」 美空は惹かれる様にその店のショーケースに近づいていった。 そこにあるのは5体の人形。 先程の人形とは多少違うが、全体的な造りは良く似ていた。 ラベルには『武装神姫』の文字と値段。 「………」 高い。 …だがしかし、美空に手の届かない額でもなかった。 家に戻り、自室の机の引き出しの、その一番下を開ける。 中には古風な豚さん貯金箱が4つ。 四年ほどかけて溜め込んできたお年玉とお小遣い。 いつか友達が出来たら、その子と一緒に使おうと思って貯めてきたお金。 クラスの皆がお小遣いを使って遊ぶ中、美空はいつか使う日を夢見て貯め続けてきた。 でも、このお金で友達が出来るのだとしたら…? それは、単に“友情を金で買う”という行為ではない。 何も出来なくなったと思い、ただ耐えるだけだった美空が、初めて自分の意思で世界を革変し、友を得ようとするための試み。 その時初めて、美空は“能動的に世界を変えようと”手を伸ばした。 砕け散る音は丁度4つ。 砕けていく物はきっと…、四年もの間、彼女が世界に対して張った“諦め”と言う名の防壁だった。 「おじさん、『武装神姫』頂戴」 「え?」 ホビーショップの店番をしていた中年の店主は少女の言葉に目を丸くした。 元々、近所の子供相手にプラモデルやカードを売るような小さな店だ。 武装神姫と言う玩具自体は、値段の桁数を一つ間違えて見ていた為、子供向けの人形と間違えて注文してしまっただけの物だった。 何に使うのか知らないが、こんなに高い人形など売れる訳も無い。 そう諦めてさっさと降ろし元に返品しようと思っていた矢先である。 当然店主は勘違いをした。 「お嬢ちゃん、これ凄く高いよ? お小遣い、たくさん必要だよ?」 「数字ぐらい読めるわ、いいからさっさと頂戴!」 少女の出した金額は年齢とはかけ離れたものだった。 「………」 店主は武装神姫には詳しくないが、長年子供相手の商売をやってきた自負はある。 金の見極めには敏いつもりであった。 親の金を纏めて持ち出したのでない事は、札に付いた不揃いな折り目からすぐ分かる。 折り目が妙に小さいのは、何か小さな袋に入れるためだろうか? つまり、お年玉の類であると言う事だろう。 そして、少女自身の目。 悪い事をしている後ろめたさは欠片も見られない。 なるほど、要するに彼女は、これだけのお金を貯めてまで、あの人形が欲しいと言う事なのだろう。 ならば、売るだけ売ってみよう。 彼女が返品に来たら快く受け入れてやるつもりで、店主は少女に言った。 「で、どれが欲しいんだい?」 「どれでもいいわ。選ぶ物ではないのだから」 少女の答えの意味など理解できなかったが、店主は1番端の白い箱を包んでやる事にした。 武装神姫を買った。 待ちきれずに近くの公園で箱から出してみる。 「………」 生首だった。 「…あれ?」 首無しの胴体が後から出てくる。 他にも次々と箱から出てくる訳の分からないパーツの山。 「………???」 さて困った。 どうやれば、さっきの人形みたいに動いたり喋ったりするのだろうか? 説明書の難しい説明を斜め読みし、図解の通りに付属のチップ、CSCとか言うものを胸部の穴に押し込んでみる。 「…入らない」 逆だと気づくまで約10分。 何とかチップを入れ終えて、胸パーツを付け、首をつなぐとようやくさっきの人形と同じような形になった。 「…これでも動かない?」 難しい説明書を何とか理解できる範囲で読み解いてみれば、パソコンによる複雑な設定とかが必要なようだ。 「パソコン…? 確か、サブロウが持ってたと思うけど…?」 最近組に入った山南三郎という青年がパソコンに詳しかった筈だ。 お願いすれば教えてくれるだろうか? そんなことを考えていると、不意に目の前に人が居る事に気づく。 「おや、お嬢ちゃん。どうしたね?」 今日はよく話しかけられる日だ。 顔を上げれば見知らぬ老人が居た。 「そうかい。なら、おじちゃんがやってあげよう」 「いいの?」 「いいとも。おじちゃんも神姫が大好きなんだよ。お嬢ちゃんが神姫を大事にしてくれるならそれでいいとも」 「…うん。大事にする」 老人は美空の返事に目を細めて頷いた。 「ようし、それじゃあおじちゃんがこの神姫に魔法をかけてあげよう」 「魔法…?」 「そうとも。おじちゃんはね、こう見えても実は魔法使いなんだよ?」 老人はそう言って、美空に目を閉じるよう促す。 「1,2,3,そら!!」 「………」 老人の掛け声で目を開けるが、何かが変わったようには見えなかった。 「…何もおきないよ?」 「大丈夫。ちゃんと魔法は掛かったよ。………この子がいつまでもお嬢ちゃんと一緒に居られるように、おじちゃんが魔法を掛けたからね。これでもう、ずーっと一緒だよ」 「ホント!?」 それこそが美空の欲しかったもの。 「本当だとも。さあ、あとはもう少し待てば目を覚ます筈だよ」 「ありがとう、おじいちゃん」 「…おじいちゃん」 まだ60前だ。せめておじさんと呼んで欲しかった男は少し落ち込むが、グズグズしてはいられない。 「さて、おじちゃんはそろそろ行かなきゃな」 「行っちゃうの?」 「ああ。お嬢ちゃんも元気でな。その子といつまでも仲良くしておくれ」 「うん」 美空は笑顔で頷き、去ってゆく老人を見送った。 「FrontLine製MMS、アーンヴァル起動します…」 天使をモチーフにした15cmの少女が目を開ける。 「…うわぁ、動いた」 目を覚ましたアーンヴァルが感嘆の声に顔を上げれば、そこには小さな女の子の姿があった。 「…貴女が私のマスターですか?」 「…はい。私の神姫になって下さい。………それで、友達として、ずっと、一緒に居て下さい」 その赤い瞳を覗き込み、真摯な眼差しで美空はそう言った。 「………分かりました、マスター。…私の名前はフェータです。…どうぞよろしくお願いします」 神姫。フェータはそう名乗り、己が主となった少女に微笑みかける。 「…では、マスター。お名前を教えてください」 「うん、私はね…」 美空はそう言って、自分自身の力で手に入れた初めての友人に、恐れる事無く自らの名を名乗り上げた。 ―――AnotherSide. 「見つけましたよ。芹沢教授」 「………君か」 老人は眼帯の女を睨む。 「…まだ彼女の立てた計画を取り止めるつもりは無いのかね?」 「…私が止める訳が無い。彼女の意思どおり、私は全ての神姫をこの世から消し去る」 「…ふん、悔しいが彼女の創ったものは素晴らしいよ。神姫はこれからどんどん世に広まるだろう」 その才能に何度も嫉妬を感じた相手、眼帯の女の行動原理である“あの少女”を褒め称える老人、芹沢。 彼女と、彼女の行動原理となっている“あの少女”が持つ才能の前に、芹沢の続けてきた40年以上の努力は霞んでしまったのだ。 ゆえに憎みもした。 妬みもした。 だがしかし、全てが終わってみれば、残っていたのは純粋な畏敬の念だった。 「これからどんどん増えゆく神姫の全てを一人で狩るつもりかね、君は?」 「…ご冗談を」 眼帯の女は哂う。 「…とぼけるのも大概にしていただきたい。………私が貴方を探していた理由など一つしか無いではないですか」 「………っ」 「さあ、返して貰いますよ。アレは元々彼女の物だ。…完成見本としてコピーされた12機のうちの一つとは言え、見逃す事はできない」 「…なるほど、やはり各企業に送られた完成見本を、破壊して回っていたのは君か?」 「もちろんです。あの12機はオリジナルからの直接のコピー品だ。それが生きて動き回っているなど許せない」 ―――生きて。 眼帯の女は神姫が動く事を、そう評した。 「………ふむ、しかし、それだけではあるまい?」 「………」 眼帯の女は、その顔を不愉快そうに歪めた。 嫉妬と妬みが落ちた後、芹沢に残ったのは、武装神姫と言う革新的な技術を世に送り出した“あの少女”の才能に対する敬意と、自らがそれに関わる事が出来たことに対する誇り。 一時は無駄であったと嘆いた自らの努力の40年が、こうして形となって世に広まってゆく満足感。 だから芹沢はそれを誇りに思うし、彼女達を誇りに思う。 “あの少女”が、あんな事を言い出さなければ。 「『全ての神姫を消し去る』…か。………その為にはオリジナル以外のコピーは邪魔なのだろう?」 「…っ!! 貴様、何処まで知っている?」 「全部だよ。…もはや独りきりの君が取りうる手段などタカが知れている。その手の手段では、どうしてもオリジナルのコピーは自分の手で破壊しなければならないからな」 「………ふっ。…知っているのなら話は早い。他のコピーは全て破壊した。つまり、貴方のアーンヴァルで最後だ、ここで破壊させてもらう」 「…ふん。出来んよ、君には…」 芹沢は笑う。 多分。出会ってから初めて、彼女達を出し抜けたのだから。 「もうね、わしは持っておらんのだよ」 「…なっ、何っ!?」 「棄ててしまったのさ」 「…嘘だ!!」 眼帯の女の声に殺気がこもる。 誰よりも神姫を愛する彼女には、芹沢の取った行動は許せない物なのだろう。 だからこその矛盾。 愛するものを、壊さねばならない矛盾。 そんな悲しい矛盾だけが、この女に残された最後の意志なのだろう。 目の前の女は、老い先短い自分よりも遥かに、心だけが死に逝く途上にあるようだった。 「嘘かどうかなど確めようがあるまい? …わしに延々と張り付くかね? …それともゴミ捨て場を一つづつ漁るかね? …どちらにせよ、最後のコピーを見つけるまで、君は次の行動に移れない」 つまり、全ての神姫を殺してしまう事は出来はしない。 それこそが芹沢にできる唯一の延命措置。 彼女が最後の一体を見つけるまで、武装神姫に終焉など来させはしない。 「じゃから、これで最後じゃ」 そう言って芹沢は橋の欄干から身を乗り出した。 「…芹沢教授!?」 「最後の一体の名前も居場所も知らない君が、彼女にたどり着く唯一の道はわしじゃからな。…これでもう、君には最後一体を探せない」 そう言って、芹沢は国道の上に飛び降りた。 「…やってくれる、あの老人…!!」 わははははははははと、トラックの上で高笑いをする老人が、国道の彼方に消えてゆくのを見送るしかない女は、そう言って歯噛みをした。 芹沢は橋の上から、走ってくるトラックの上に飛び降りたのだった。 確かに、このまま行方を眩ませられれば、自分ひとりで探し出すのは不可能だろう。 「マスター、如何なさいますか?」 眼帯の女に尋ねるのは、後にジルダリア型として『Plants Plant社』からリリースされる予定の試作型神姫。 芹沢が神姫を出し次第、破壊するつもりで潜ませていた彼女の神姫たち四名が姿を現したのだ。 「目標、探知範囲外、離脱」 「アーア、逃ゲチャッタ。あれジャア追イカケラレナイネ…」 後にそれぞれフォートブラッグ、ツガルと呼ばれる事になる神姫たちが口々にそう言った。 予期していた戦いが起こらなかった為か、神姫たちも複雑そうな表情で老人を見送っている。 「ふん、構わんさ。元より期限など無い。この命のある限り、草の根を分けてでも探し出すだけだ」 そう言って、眼帯の女は橋の上を歩き出す。 ツガルとフォートブラッグがその後に続き、ジルダリアもまた、その背を追った。 そして、その背に最後の一人が声を掛ける。 「お姉さま、お姉さま」 「…なあに?」 「なんで、どうして、マスターは芹沢教授を止めなかったのですか? 阻止しなかったのですか? …あの距離なら落下前に止められた筈です、防止できた筈です」 彼女の言うとおり、確かに女の身体能力ならば、老人が橋の欄干を乗り越える前に捉える事ができたはずだ。 しかし、ジルダリアは首を振る。 「………きっと、マスターもまた、最後の一体を見つけたくは無いのだと思いますわ」 「…最後一体を探すのがマスターの目的ではないのですか? 違うのですか?」 「………人間というのはね、『一番したい事』と、『一番しなければならない事』が食い違う事もあるのよ」 「…そうなのですか、そういうものなのですか?」 「ええ。マスターは『一番しなければならない事』を優先させたのだけど、それは同時に『一番したくない事』でもあるのよ」 ジルダリアは、そう言って主の背中に目を向けた。 「…覚えておきなさい。………マスターがそうして、自らを押し殺してまで選んだ道ならば、それを叶えるのが私達の役目よ」 「………例え、最後がマスターとお別れすることになっても…?」 「…ええ、そうよ。私はマスターの為ならば、その先にあるものが私の消滅でも構わない。全ての神姫と共に、私が死ぬとしても、それがマスターの望みなら私は構わないわ…」 「………」 「…貴女は、どう?」 「…私の望みは最初から一つだけなのです。オンリーワンなのです。………マスターのお役に立ちたい。それだけなのですよ。他には無いのですよ」 ジルダリアはその言葉に満足そうに頷く。 「…そう。…それでいいわ、私達には彼女の代わりなど勤まらない。………ならば、この身を持って主の意図に答えるのみ。出来るわね、ストレリチア?」 「…もちろんなのです、当然なのです」 そう、ジルダリアに答えたのは、公園で美空とであった神姫だった。 彼女のタイプは後に大幅な改修を受けて、『Magic Market社』の最新型神姫として販売される事になる。 そのときの名をエウクランテ。『実現する』という意味を持つ銘であった。 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ぷれころ美空編です。 リーナ編と違いメインストーリーの根幹にかかわる話です。 話のフォローとなりますが、美空はいじめられている訳では無いです。 単にヤクザの娘として敬遠されているのに加え、美空自身の人付き合いの下手さが孤立を生み出しているだけです。 ちゃんと話をして、偏見を払拭すれば友達も出来るはずですが、それ実行するのは、本人にとってとても勇気がいるものでしょう。 この話でフェータと出会い、(心が)等身大の友人を得る事で、美空はその後押しで少しずつ変わって行く訳です。 …その結果が鉄板ポシェットスゥイング(攻撃力6000)な訳ですが…(笑)。 フォローその2。 美空はこの後フェータに夢中になり、ストレリチア(眼帯女の神姫四姉妹:三女)のことを曖昧にしか覚えていません。 ストレリチア自体、非武装状態での出会いでしたし、武装したストレリチアと美空が出会っても美空にはあのときの神姫だとは分かりません。 もちろん、ストレリチアにも名前も聞かなかった少女の数年後をみて、あのときの子供だとは分からないのです。 つまり、出会っても話をしないと分からない関係ですね。 単に出会うだけでなく、ちゃんと話をして『再会』出来る時は来るのでしょうか? フォローその3。 エウクランテは、ギリシャ神話の海の神ネイレウス(ネレウス)の娘の一人“エウクランテー”が語源でしょう(イアネイラ、ティティス、ガラティア等もネイレウス娘の一人)。 エウクランテーは『実現する女』と言う意味のようです。 なにか意味深ですよね…? さて。 謎の老人、芹沢教授(←でも実は、この話だけにしか登場しないと思う)。 眼帯の女(名前の開示は旅行編の最後の方)と、彼女が行動の指針とする“少女”。 ストーリーに必要となるキャラはこれで出揃いました。 後は話とは直接関係ないサブキャラ2、3名ほどが待機中ですが………。 さて、この後はメインストーリーが突っ走るのみ………? アホな番外編とかまだ書きますが…(笑)。 次のぷれころは祐一編か、それとも祐一編は一番最後か…? なんか『?』マークが異常に多い後書きだと読み返してみて思うALCでした。
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称号 2009/12/01アップデートより追加。 ポイントバトルでアチーブメントのように特定の条件を満たしたり、大会で一定以上の成績を達成することで獲得できる。 2010/03/18アップデートより組み合わせられる称号が2つまでから4つまでになった。 称号の表示を変更する場合は、画面右上の緑のボタン>オーナーカード編集で称号を選択する。 現在までに獲得した称号および獲得条件は、上記編集画面およびオーナーズルーム>レコード>インベントリで確認可能。 同じ称号を4つ連続して表示させることもできるが、合計13文字以上にはできない。 出場数/勝敗数 特定条件での勝利数 コアユニット別第1弾/第2弾 第3弾/第4弾 第5弾/第6弾 第7弾/第8弾 第11弾/第12弾/第13弾 ライトアーマー Mk.2/忍者型 大会入賞2009/12~2010/02 2010/03~2010/04 2010/07~2010/09 2010/10~2010/12 2011/02~2011/04 その他 条件不明 コメント 出場数/勝敗数 出場数、勝敗や引き分けの累計が規定数に達すると獲得できる。連勝は1回の大会かつ1体の神姫での達成が条件。 現在は全て判明していると思われる。連敗は10連敗まで確認、称号なし 連勝は100が上限?称号は50連勝で打ち止め? 称号 獲得条件(備考) ちゃん ポイントバトルに累計1回出場 たん ポイントバトルに累計2回出場 様 ポイントバトルに累計4回出場 殿 ポイントバトルに累計6回出場 さま ポイントバトルに累計8回出場 サマ ポイントバトルに累計10回出場 主 ポイントバトルに累計15回出場 氏 ポイントバトルに累計20回出場 新人 ポイントバトルにて累計1勝する デビュー ポイントバトルにて累計5勝する NEW ポイントバトルにて累計10勝する 淑女 ポイントバトルにて累計20勝する 紳士 ポイントバトルにて累計50勝する 勇士 ポイントバトルにて累計100勝する 姫 ポイントバトルにて累計200勝する 王子 ポイントバトルにて累計300勝する 勇者 ポイントバトルにて累計400勝する 覇者 ポイントバトルにて累計500勝する 栄光 ポイントバトルにて累計600勝する 究極 ポイントバトルにて累計700勝する 師匠 ポイントバトルにて累計800勝する 神 ポイントバトルにて累計900勝する 伝説 ポイントバトルにて累計1000勝する 新姫 ポイントバトルにて累計1敗する 不屈 ポイントバトルにて累計5敗する 挑戦 ポイントバトルにて累計10敗する 挑戦者 ポイントバトルにて累計20敗する チャレンジャー ポイントバトルにて累計50敗する 闘士 ポイントバトルにて累計100敗する 不死鳥 ポイントバトルにて累計200敗する 復活 ポイントバトルにて累計300敗する 熾烈 ポイントバトルにて累計400敗する 鮮烈 ポイントバトルにて累計500敗する 激烈 ポイントバトルにて累計600敗する 辛苦 ポイントバトルにて累計700敗する 迷走 ポイントバトルにて累計800敗する 妄想 ポイントバトルにて累計900敗する 神話 ポイントバトルにて累計1000敗する 幸運 ポイントバトルで3連勝する ラッキー ポイントバトルで4連勝する 気合 ポイントバトルで5連勝する 努力 ポイントバトルで6連勝する 根性 ポイントバトルで7連勝する 涙 ポイントバトルで8連勝する 無敗 ポイントバトルで9連勝する 王者 ポイントバトルで10連勝する キング ポイントバトルで20連勝する 超人 ポイントバトルで30連勝する 超神 ポイントバトルで40連勝する 超越神 ポイントバトルで50連勝する 引き分け ポイントバトルにて引き分け累計10回する 司令官 ポイントバトルにて引き分け累計20回する 参謀 ポイントバトルにて引き分け累計30回する うやむや ポイントバトルにて引き分け累計40回する あやふや ポイントバトルにて引き分け累計50回する とんとん ポイントバトルにて引き分け累計60回する びっくり ポイントバトルにて引き分け累計70回する ドロー ポイントバトルにて引き分け累計80回する 仰天 ポイントバトルにて引き分け累計90回する 驚愕 ポイントバトルにて引き分け累計100回する 上へ戻る 特定条件での勝利数 特定の条件での勝利が規定数に達すると獲得できる。現在は全て判明していると思われる。 称号 獲得条件(備考) クール ポイントバトルにて『COOL』が500ポイント以上で累計5回勝利 キュート ポイントバトルにて『CUTE』が500ポイント以上で累計5回勝利 コミカル ポイントバトルにて『COMICAL』が500ポイント以上で累計5回勝利 おしゃれ ポイントバトルにて『COOL』が1000ポイント以上で累計10回勝利 かわいい ポイントバトルにて『CUTE』が1000ポイント以上で累計10回勝利 爆笑 ポイントバトルにて『COMICAL』が1000ポイント以上で累計10回勝利 逆転 ポイントバトルにてLP差3倍以上の状況から累計5回逆転勝利 希望 ポイントバトルにてLP差3倍以上の状況から累計10回逆転勝利 ぎりぎり ポイントバトルにて残りSPが1桁で累計5回勝利(アチーブメント「残りSPが1桁で勝利する」の追加前に獲得できるかは不明) 幸福 ポイントバトルにて残りSPが1桁で累計10回勝利(「ぎりぎり」と同様に不明) 完璧 ポイントバトルにてダメージを一度も受けずに累計5回勝利 パーフェクト ポイントバトルにてダメージを一度も受けずに累計10回勝利 超能力者 ポイントバトルにてスキルを5回以上使用して累計5回勝利 サイキッカー ポイントバトルにてスキルを5回以上使用して累計10回勝利 上へ戻る コアユニット別 「1体の神姫(コアユニット)」の勝敗が規定数に達すると獲得できる。獲得条件の正式表記 1体の「○○」を使用してポイントバトルで累計○勝(○敗)する 1回の大会で達成する必要はなく引き継がれる。 アチーブメントとは違い、リストアしても戦績は引き継がれる。 100勝/100敗以上の称号は現在存在しないと思われる(500敗まで確認) 第1弾/第2弾 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 アーンヴァル 天使 翼 女神 * 天災 天才 堕落 アーンヴァル・リペイント エンゼル ウィング 姫神 * 黒 金髪 堕天使 ストラーフ 悪魔 地獄 冥界 * 魔神 邪気 下級 ストラーフ・リペイント デビル ヘル 冥王 * 白 噂 上級 ハウリン 犬 ドッグ ハウンド * 負け犬 駄犬 番犬 マオチャオ 猫 キャット にゃんこ * 爪 キャッツ ネコ耳 ヴァッフェバニー うさぎ バニー 迎撃 * 職人 アーミー 捕虜 上へ戻る 第3弾/第4弾 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 サイフォス 騎士 ナイト プリンス * 剣士 ソード クイーン サイフォス・リペイント 卿 陛下 パラディン * 伯爵 男爵 へなちょこ 紅緒 武士 侍 刀 * 姫様 嫁 紅緒・リペイント サムライ 武人 将軍 * 刃 士 っ子 ツガル サンタ 聖 ホーリー * 雪 スノー 聖夜 ジルダリア 花 フラワー 蜜 * 植物 プラント 最後 ジルダリア・リペイント 花びら 華 つぼみ * 萌え 若葉 へたれ ジュビジー 種 シード バトルモード * 桃色 ピンク ラスト ジュビジー・リペイント 芽 双葉 果実 * 熟した 完熟 熟れた フォートブラッグ 砲台 弾丸 銃撃 * 大砲 兵士 バトラー フォートブラッグ・リペイント 冬季 迷彩 寒冷地 * 仕様 リトライ 鉄 上へ戻る 第5弾/第6弾 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 エウクランテ セイレーン 鳥 精霊 * 大空 夜空 星空 エウクランテ・リペイント 歌姫 可憐 突撃 * ボーカリスト 流星 星くず イーアネイラ マーメイド 人魚 深海 * バタ足 ヒロイン スイマー イーアネイラ・リペイント 潜水士 豊満 深淵 * 海底 マリン ブルー ヴァッフェドルフィン イルカ 戦士 ソルジャー * 兵 トリガー 憂鬱 ティグリース 寅 牙 ファング * 虎 風雲 咆哮 ウィトゥルース 丑 ミルク 猛牛 * 牛 マザー レア グラップラップ 建機 爆発 責任者 * 解体 スクラップ 爆弾 上へ戻る 第7弾/第8弾 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 アーク 最速 疾風 ヘッド * 暴走 違反 チェイサー アーク・リペイント 高速 リーダー 喧嘩 * 反則 禁止 ロード イーダ 笑顔 スピード お嬢様 * 初心者 おしとやか スイーツ イーダ・リペイント ハイ 優雅 ですわ * 家来 執事 下僕 シュメッターリング 蝶 アイドル 歌手 * モテモテ 女優 サイン ムルメルティア 戦車 ミリタリー 鋼鉄 * チェック メイト 壊滅 ムルメルティア・リペイント 軍 砂漠 砲弾 * マイスター 飛鳥 戦闘機 零 爆撃 * 殿様 警報 回避 飛鳥・リペイント 白髪 夜戦 空襲 * 暗闇 脱出 殺陣 ゼルノグラード 火器 砲塔 硝煙 * 冗談 ?? 不良 ゼルノグラード・リペイント ボーイッシュ 放蕩 火薬 * 不調 返品 要修理 上へ戻る 第11弾/第12弾/第13弾 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 アルトレーネ ワルキューレ 戦 乙女 * なのです 運命 死神 アルトアイネス 天女 英雄 レジェンド * 妹 姉 ヒーロー ベイビーラズ ロッカー ミュージシャン ベイビー * ギタリスト ベーシスト 紗羅檀 マエストロ アモーレ アーティスト * オーディエンス お姉 ガブリーヌ 狼 ダーク 煉獄 * ウルフ 蓮華 狐 九尾 * フォックス 上へ戻る ライトアーマー コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 ウェルクストラ コマンド 量産型 実験機 * 改良型 粗品 薄幸 ウェルクストラ・リペイント トライアル バージョン コマンダー * リセット 工作員 スパイ ヴァローナ 夢魔 夢 悪夢 * ねぼすけ おねむ パジャマ ヴァローナ・リペイント ネグリジェ 早起き スリーパー * 睡眠 ハーモニーグレイス シスター 赦罪 司祭 * 信者 使途 ジャッジメント ブライトフェザー ナース 看護 癒し * 患者 病 重症 パーティオ フェレット オコジョ * 弱気 ポモック リス * 食いしん坊 こひる 箸 * 器用 メリエンダ スプーン ライト * フォーク 上へ戻る Mk.2/忍者型 コア 10勝 50勝 100勝 * 10敗 50敗 100敗 アーンヴァルMk.2 Mk.2 女王 バトル * 強化 大好き っ娘 ストラーフMk.2 魔王 魔女 マスターズ * 邪悪 大嫌い 破壊 フブキ 忍者 くノ一 超忍 * 忍法 忍術 黒姫流 ミズキ 試作型 エリート 上位 * 赤毛 白神流 赤点 上へ戻る 大会入賞 入賞条件や開催期間などについてはポイントバトルへ。※「店長代理からのお礼1」以降の大会の称号は、インベントリで確認しないと選択できないバグが再発している模様。 2009/12~2010/02 称号 獲得条件(備考) 迷彩仕様 「冬季迷彩杯」入賞 もーもー 「丑→寅杯」入賞 タイガー キューティー ポイントバトル大会入賞(店長代理からのお礼1) ○○○ コレクター 煌く ポイントバトル大会入賞(店長代理からのお礼2) キレカワ 巨匠 鬼 ポイントバトル大会「節分杯」入賞(あなたも鬼です杯) 鬼神 鬼っ子 白き ポイントバトル大会入賞(白が黒で、黒が白杯) 黒き リペ リペイント 怪物 ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-001-) モンスター ドラゴン 義理 ポイントバトル大会「バレンタイン杯」入賞(I LOVE オーナー?杯) チョコレート ラブリー 本命 スキル ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_01【通常攻撃禁止/SP消費半分】) サバイバー ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_02【スキル禁止/渦巻き】) グルメ ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-002-) 美食家 料理人 採食 肉食 スナイパー ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_03【近距離攻撃禁止+α】) 指揮官 ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_04【作戦指示無効】) お姉ちゃん ポイントバトル大会入賞(わたしがお雛様杯) お姉さん ガール 娘 ブレイド ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_05【遠距離攻撃禁止/射撃武器禁止】) 上へ戻る 2010/03~2010/04 称号 獲得条件(備考) マニア ポイントバトル大会入賞(帰ってきた西園寺) 無双 勝利者 違法 ファイター お兄ちゃん ポイントバトル大会入賞(お返しは忘れずに杯) お兄さん 有頂天 絶好調 チャージ ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_06【SP消費が常に2倍】) エスパー 新型 王 と ポイントバトル大会入賞(ミッションPB_07【コミカル&キュート】) な かつ 合格 です ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-003-) から まで 先生 の ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-004-) だから 地上 地球 黄 ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-005-) 蒼 赤 金ぴか 形 ポイントバトル大会入賞(称号獲得杯-006-) 系 型 式 3周年 ポイントバトル大会入賞(3周年記念称号獲得杯) 記念 祝 チーム 上へ戻る 2010/07~2010/09 称号 獲得条件(備考) 夏 ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-001-) 熱い 燃える マシン ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-001-) ロボ 超 ♪ ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-002-) ! ☆ 狩人 ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-002-) ハンター 神秘 妖精 ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-003-) モード フェアリー ★ ポイントバトル大会入賞(新型神姫出撃杯 -001-) 新規 スター ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-003-) 宇宙 上へ戻る 2010/10~2010/12 称号 獲得条件(備考) ビューティフル ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-004-) とっても 者 ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-004-) 師 プリンセス ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-005-) 。 ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-005-) 花嫁 ラブ ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-006-) セクシー でござる ポイントバトル大会入賞(忍者でござる杯) 使者 ドキ ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-006-) 輝く 上へ戻る 2011/02~2011/04 称号 獲得条件(備考) ご主人 ポイントバトル大会入賞(チケット獲得杯-007-) 恋人 ママ ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-007-) パパ 未来 ポイントバトル大会入賞(新型神姫出撃杯 -002-) 新入生 瞳 ポイントバトル大会入賞(サキュバス杯-008-) 美しい 上へ戻る その他 称号 獲得条件(備考) 武装神姫 はじめから 武装 はじめから 神姫 はじめから マスター はじめから オーナー はじめから さん はじめから くん はじめから プレミアム プレミアムオーナーでポイントバトルに出場 スーパー プレミアムチケット10daysまたは30daysを購入 ハイパー プレミアムチケット30daysを購入 グレート プレミアムオーナー期間累計60日以上所有(プレミアムは一度に60日まで加算可能) セレブ プレミアムオーナー期間累計90日以上所有(プレミアムは一度に60日までしか加算できない→一旦30日以上の経過が必要) スタッフ(or 武装神姫スタッフ) スタッフ専用(入手不可?) トレーナー(or 神姫トレーナー) トレーニング用MMS NAKED専用(入手不可?) 天に選ばれし者 NPCオーナー「西園寺彩音」専用?(入手不可?) 上へ戻る 条件不明 4つまでの称号を組み合わせる都合上、目撃時の称号の併記を推奨。 称号 備考 イリーガル イリーガルハンター 上へ戻る コメント メリエンダ10勝で「スプーン」、50勝で「ライト」 10敗で「フォーク」 -- (名無しさん) 2011-05-04 01 06 53 紗羅壇100勝で「アーティスト」でした -- (名無しさん) 2011-05-08 00 20 13 蓮華、100勝で「神主」、50敗で「飯綱」、100敗で「稲荷」確認。 -- (名無しさん) 2011-05-29 21 13 02 グラフィオス10勝で「サソリ」、50勝で「褐色」、100勝でエース。 10敗で「黒服」、50敗で「幹部」でした。 -- (名無しさん) 2011-06-13 23 43 09 ぬいたd(´∀`*)グッ☆ http //64n.co/ -- (俺だ) 2011-12-29 05 47 20 名前 コメント すべてのコメントを見る
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スライド演習相互評価 目的 他人が作った作品を元に、悪い例・良い例をたくさんみる 前準備 提出 自分の作ったスライドを開く 提出先に保存する ファイル名:クラス番号-出席番号2ケタ 保存先:共通>2011年度>情報C>「各クラスフォルダ」>スライド演習02 保存したら、PowerPointを開いたままにしておく 自己評価作成 自分自身の評価と他人の評価の違いを比べる 今回の演習プリントの余白に、自分のスライドの良い点・悪い点を書く 評価する 他人の作品を見る ファイルの保存先にいき、作品を開く 作品を開くと注意メッセージがでるので「読み取り専用で開く」を選択 評価を書く 作品を作った人のwikiページへ移動し、コメント欄を使って評価を書く 良い点・悪い点ともに、「なぜ良いか・悪いか」の理由をできるだけ書く 評価を確認する 自分のwikiページを開く ほかの人の評価を読んで、感想・修正点を書く最初の自分の評価と比べてどうだったか どんな意見が多いか 真似したい他の人の良かった点
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前へ 先頭ページへ 次へ 第十四話 アーマーン 「アーマーン、か。ノウマンも洒落た名前を付けるものだな」 鶴畑家所有の潜水艦内、作戦室。部屋は暗い。 大型プロジェクターがホワイトボードに光を投影し、ぼんやりと光源をなしている。そこに映し出された基地の図面を見ながら、鶴畑興紀は呟いた。 図面は基地にいるときにエイダがハッキングして取得したものだった。詳細な情報は強力なプロテクトがかかっていたが、潜水艦の指揮をとっていた執事が十分なレベルで情報を収集してくれていた。 それは島そのものの名前だった。 「アーマーンって?」 メガネの隙間から目頭を押さえつつ、理音が訊いた。 興紀は四角い小さな眼鏡を掛けて図面を凝視する。 「古代エジプトの幻獣のことだ。アメミット、ともいう。ワニの顔にライオンの上半身、カバの下半身を持つキメラ生物だ。 死者の守護獣だが、実質はほとんどの人間にとって恐怖すべき存在だったようだ。死後の審判で死者の心臓と真実の羽根を天秤にかけ、つりあわなかった心臓を食べてしまうといわれている。ま、真っ当な人間などほとんどいないから、だいたい食べられてしまっただろうな。つまりは閻魔大王みたいなものだ」 「島の名前にしてはずいぶんおかしな語呂ね。ここはエジプト沖なの?」 すると執事がスライドを一つ動かす。 「いいえ、ここは日本からそう遠くない太平洋上です。この島は天然の島ではありません。人工島、メガフロートなのです」 緑色の写真が出た。 「本艦の潜望鏡から見た、アーマーンです」 そこには海原に浮かぶ、人工構造体が写っていた。 理音は島に連れてこられたときのことを思い出した。 あのとき、植物が一本も見当たらなかったのは、深夜で視界が利かなかったからではなかったのだ。 スライドが動き、図面に戻る。 理音はいままで勘違いをしていた。 図面には、理音たちの閉じ込められていた基地の構造が書かれていた。理音はそれが島の一部に建てられてある基地のマップだとばかり思っていた。 それは島そのものの図面であった。 「ちょっとまって」 テーブルに座っていたクエンティンが口を挟んだ。 「アタシ、森を見たわよ。その森の間から飛行船が飛び立つのも」 「おそらくそれは、中庭か何かだろう。職員の厚生施設のひとつなのかもしれん。その下に飛行船発着場が偽装されていたんだ」 興紀がすぐに補足する。 「しかしわからん。こんな大掛かりな構造物がどうして今まで怪しまれなかったんだ?」 「この島はもともと、十年前、二〇二六年に人工リゾート地として建造された娯楽施設なのです」 スライドが変わる。一転して華やかな映像。「世界最大の人工楽園」とキャッチコピーが打たれた、島の広告である。 「中途でポシャった、ってわけか」 頬杖をついて理音がふふと笑う。 「そのとおり。初めは各国からスポンサーが集まったのですが、建造費だけでも予算を五倍もオーバーしてしまい、さらにハワイやドバイをはじめとしたリゾート地から、大規模な自然破壊だ、というのは建前で、客を取られるという理由で大反発を招きましてな」 「リゾート地ってのは普通、ポンポン増えるものじゃないものね。島一個となればなおさら」 「滑稽だな。もともとハワイやドバイだって人の手で開発されてできた土地だ。リゾートなるものは自然にできるものじゃない。反発されたくらいで計画を下ろすなんて、肝が小さいな」 「お坊ちゃま、それではコンツェルンの投資している月面結婚式場はどうなるのですかな」 「ギャーギャーわめく奴には騒がせておけばいい。あれは娯楽施設などではない。大事な人生の門出を祝う大事な式場だ。宇宙へ進出しようとしている人間文明にとって必要なものだよ」 よく言う、と理音は思う。結婚式というセレモニーはもはや一種の娯楽のような一面を持っているというのに。 ましてやわざわざ月面で式を挙げようという奇特なカップルの気が理音には知れなかった。それでも、二〇〇〇年代には一般人にとって夢のまた夢だった宇宙旅行も、驚嘆するほど安価になった。そういった需要が商業的に成立するくらい見込めるのもまた事実だった。これも時代の流れか。 「話を戻しましょう。――そういった経緯で計画は頓挫。解体する費用も出ず、人工島は基礎部分を残して放置されました。管理のために出入りする何人かの人間はいたようですが、それ以外では話題にも上ることはありませんでした」 「で、ある日突然、買いたい、っていう奴が来た」 「ご明察です、クエンティン様」 クエンティンはフフン、と得意そうに鼻を鳴らした。 「それで買いに来た奴ってのは、EDEN本社だったんでしょ? メタトロンプロジェクトの開発基地を作るには絶好の土地だもんね。孤島だから情報封鎖もしやすいし・・・・・・」 「プロジェクトは本社の開発ルームで進められていた」 意外な興紀の一言が差し入れられ、クエンティンは言葉を継げなかった。 「異常な状況が続いていてみんなずれてきているようだが、メタトロンプロジェクトはもともと、単なる『武装神姫の次世代パーツ開発計画』だぞ。確かに社内では極秘計画だが、島をまるごと一個貸し切ってやるようなものじゃない。武装神姫は兵器でもなんでもないからな。・・・・・・じい、島を買ったのはノウマンだな」 「はい。ノウマン、本名リドリー・ハーディマンの個人名義で購入手続きが行われた明確な記録がございます。手続きに立ち会った当時の島の管理責任者にもすでに事情聴取してありますが、『別荘地にでもするのかと思った』と」 「開発ルームでやってきたことは、本社をも欺くためのデコイだったのかもしれんな。ルームにはプロジェクトの人員しか入れないし、その中でも中枢部には中心メンバーしか立ち入ることはできないのだろう。中で何をやっているかなんて、プロジェクトメンバーでなければたとえ上層部でさえも把握していないんだ」 「それじゃあ、あなたも入れないんじゃなくて?」 「筆頭出資者は自動的に中心メンバー並の立場におかれるはずなんだ。いままでのEDEN本社の通例ではな。何と言ったって一番必要な金を提供しているのだから至極当たり前のことだ。内容を知らなければ出資する気になれない。そもそもオフィシャル武装神姫開発のときだって、筆頭出資者である鶴畑コンツェルンは中心メンバーレベルの発言権を有していた。 それが今回はまったく蚊帳の外だ。てっぺん経由でプロジェクトメンバーに要請をしてもみたが無駄足だった」 「社長命令でも無理だったってことなの?」 「本社の制度はちょっと特殊でね。ここだけの話だが、メタトロンみたいな重要プロジェクトなどは、発足後は人員の進退をはじめとしたプロジェクト内でのやりくりが中心メンバーに一任されるんだ。たとえ社長でも勝手にメンバーの解雇や増員をすることができない。できるのはプロジェクトの中止ぐらいだが、そんなことをしたら社運に関わる。 EDEN-PLASTICSという企業は巨大すぎるのさ。デカいプロジェクトは実行されたならば是が非でも成功させなければならない。そのための制度なんだ。だからプロジェクトの立案から実行までは長いスパンが置かれる。うちもその間に出資を決め、そうした。だが計画が実行されたとたん、プロジェクトチームはだんまりを決め込んだ。実行後は出資を取りやめることなどできない。EDENが潰れたらうちも危ないからな。だから、独自に情報収集活動を行った。いや、もはや諜報活動といっていい。その過程で、中心メンバーの一人を買収することに成功し、造反の計画を察知し、プロトタイプの一体にとある情報因子をインプットすることに成功した。そのプロトタイプが、エイダだ」 ちらり、とクエンティンを一瞥する。 「エイダには機を見て開発ルームから逃げ出すよう仕向けさせる情報因子を紛れ込ませた。プロトタイプがちゃんと開発ルームで作られていたのが幸いだった。先ほど言ったデコイ、というのはノウマンにとっての、という意味だ。ノウマン以下造反グループに参加した中心メンバーは、開発ルームでプロトタイプを建造する裏で、あの島の整備や人員集めをやっていたのだろう。そして肝心のプロトタイプも、武装神姫としてではなく、ほとんど兵器として作られてしまったわけだが――」 「ちょ、ちょっとまってよ」 あわててクエンティンが口を挟んだ。 「エイダが本社から逃げ出してきたのは、アンタが仕組んだことだっていうの?」 「そうだ」 「なんでいままで黙ってたのよ!?」 「話すかどうか決めあぐねていた。お前はただの事件に巻き込まれたかわいそうな神姫で、理音嬢はそのオーナーでしかなかったからな。今は・・・・・・」 理音を一瞥。 「話す気になった。それだけだ」 「わっかんない。アンタ一体なに考えてるの?」 「クエンティン、もういいでしょう」 理音が叱った。彼女は興紀の視線に気づいていた。 「お姉さま・・・・・・」 クエンティンはきょとんとしていたが、そのままふくれっつらで黙ってしまう。 「じい、続けろ」 「はい」 スライドが二つ動く。 何かの間略図のようなものが現れた。 中心に島らしきアイコンがあり、その両脇に狼のようなアイコンとヒヒのアイコンが線で繋がっている。それだけである。注釈などのような文章は無い。 「なんだこれは?」 「諜報部が入手した図面です。詳しいことはまったく分かりません。ですが、中心のアイコンはアーマーン。狼はジャッカルで、タイプ・アヌビス。そして、ヒヒはトート神で、タイプ・ジェフティであることが推測できます」 「一体どんな意味なんだ」 「さあ、今のところはどんな説も推測の域を出られず、提示してもただ混乱するだけでしょうし・・・・・・」 『これは――』 今まで発されていなかったその声に全員の視線が向いた。 クエンティンに。 そしてクエンティンは自身の胸元を覗き込むようにしていた。 「エイダ、話せるの?」 『はい。デルフィがある程度の情報プロテクトを解除してくれました。――これは、アーマーンの制御構造図です』 「お前たちプロトタイプ二体が、この島を動かす鍵になっているというわけか」 『はい。ただし、発動キーはデルフィに与えられ、私は動かすことができません』 「じゃあお前は」 『私に与えられたキーは、停止キーです』 それで部屋の空気が張り詰めるのをクエンティンは感じた。 興紀が額を押さえてため息をついた。 「ノウマンが渇望するわけだ。どんなに作戦が進行しようと、ジェフティが外部にいればいつでも停止される危険性がある。だが、だったらはじめから壊しておけば良いだろうに」 『デルフィの発動キーは、私が存続していないと有効にならないのです』 「でも、少しうかつすぎやしないかしら」 理音が釈然としない顔をしながら手を挙げた。 「私なら、万が一を考えて両方に起動キーと停止キーを与えて、どちらか一体でも動かせるようにするわよ」 『私たちが独自に実行した対抗措置です。起動直後から強制命令プログラムを植え付けられるほんの一瞬の間で、事実を把握しつつできる唯一のことでした。その後、デルフィはプログラムによって造反グループに参加せざるを得なくなり、私は情報因子が働き脱出することに成功しました』 会議室を緊張を伴った沈黙が漂う。プロジェクターが消され、しばしの暗闇の後、照明が灯された。光度の変化に一同が目を狭めた。クエンティンだけはそうする必要がなく、ただ自身の胸元の、エイダのAIが入っている球体を見つめていた。 やがてメガネを胸ポケットにしまって、興紀が椅子をぎりりと鳴らして立ち上がった。 「作戦はじいの立案どおりに行う。人間は人間で、神姫は神姫で対処する」 「アタシの言いたいこと分かってくれたの?」 「私だって神姫オーナーだ。神姫は物だが、物ゆえの愛着すら無い、とは言っていない。――この事件が終息したら、ビックバイパーのデチューニングをするつもりだ」 「しかし、お坊ちゃま。エイダの立場が分かった以上、そうするよりは・・・・・・」 執事が何か言いたげに呼び止める。エイダが半ば恐ろしげにそちらへ注意を向けるのが、クエンティンに分かる。 が、興紀は手を向けて制した。 「立案どおりだ」 そのまま出入り口へ向かう。スライドドアが開いたところで、振り返る。 「EDEN本社の私設軍が集結するまで三時間はかかる。それまで休息をとっておくんだ」 「そんな暇ないわよ」 立ち上がるクエンティン。 「アンタも見たでしょ? あの飛行船群は今にも発進しそうなのよ。すぐにでも行かなきゃ・・・・・・」 「あれはまだ発進しない。向こうは必ず準備を万全に整えてからやる。それはこちらも同じだ。確かにお前は切り札だが、たった一体で行ってもどうにもなるまい」 「でも!」 『鶴畑興紀の言うとおりです、クエンティン。第一、ゼロシフトのプログラム因子の着床が済んでいません』 そう言われて、デルフィに会ってからずっと、リソースの三分の一を占めている処理実行中のプログラムを思い出す。 『造反グループは必ず私たちにタイプ・アヌビスをぶつけてきます。性能的にも差が残っていて、かつ相手のゼロシフトに対抗できない今の状態では、万が一にも勝てる見込みはありません』 「もしも作戦実行までに着床されなかったら?」 『そのときは現状のままで戦うしかありません。しかし、私たち一体で出撃するのと、ルシフェル、ミカエル、ジャンヌ、そしてノーマルとはいえファントマ2アタッチメントを装備した多数の武装神姫が共に侵攻すれば、ある程度の勝機は見込めます』 「どっちにしろギリギリか。現代戦にはありえない戦況よね」 「まったく新しい戦いになるだろうな。問題は、向こうは人間と神姫の混成部隊でやってくるだろうということだ。こちらには絶対に侵してはならないルールがある」 「その懸念はほとんど無いでしょう」 「なぜだ、じい」 「屋敷での戦闘で鹵獲したラプターで実験してみましたが、完全武装の兵士が持つ銃にはラプターの装甲は耐えられません。また兵士には神姫の頭脳の量子活動を阻害させるEMP発振機を装備させます。以前のバーチャルバトルで大紀様がお使いになった、あれです。向こうも十分承知の上で編成を組みます。こちらも向こうも、人間と神姫は自然に分離するでしょう」 「それでもしも混成部隊が出たら」 「お坊ちゃま、ある程度の間違いは仕方がありません。汚い話ですが、いざとなればいくらでも隠蔽できます。作戦が成功すれば、の話ですが」 「汚いことはずいぶんやってきた。あとはこの小さな切り札が納得してくれればいい」 興紀の鋭い視線がクエンティンを見据える。 いや。 これは懇願のまなざしだ。クエンティンは気づいた。 彼でも不安なのだ、この状況は。成功するかどうかも分からない作戦など、おそらく普段でも、今までやったことなどなかったから。 「・・・・・・アンタは、ルールを守りたい人なのよね」 「そう言ったろう。作戦に参加する兵士全員にも徹底させる。やむをえない場合を除いて、だが」 クエンティンは首を垂れて考える。 できるなら、神姫と人間とを合間見えさせることは一度たりとも起こしたくない。 しかし、戦闘状態にあって絶対は無いこともまた知っている。試合とはいえ、ほとんど実戦に近い経験を武装神姫はしているから。 自分の線引きが、作戦の難しさを決定する。 興紀は出入り口に立ったまま、待ってくれていた。 誰も急かすようなことはせず、数分が過ぎた。 そして、クエンティンは答えた。 「――ルールは絶対」 興紀が息を呑む音が聞こえた。 「でも、やむをえない場合はかまわない。だからって全部やむをえなくしちゃだめ」 「そうか」 そのときクエンティンはわが目を疑った。 興紀が笑ったのである。 いつも人を射抜くような目つきが、ほんの一瞬、ほころんだだけであったが。 腰の力が抜けて、クエンティンはテーブルに尻餅をついた。 スライドドアが閉まって、興紀の姿が見えなくなっても、クエンティンはきょとんとした表情で座り込んでいた。 ふいに体が持ち上げられる。理音であった。 「さ、貴重なお休みよ。満喫しなきゃね」 「・・・・・・うん」 理音の手のひらの上で、クエンティンは横になる。彼女の体温が、張り詰めっぱなしだった神経の糸をほぐしてくれた。 二人は自室として用意された副長室へ向かう。 最後に執事が消灯して退出し、会議室は静かになった。 つづく 前へ 先頭ページへ 次へ
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B 高齢者の評価 小項目 認知症の診断と重症度判定,日常生活動作〈ADL〉能力の評価,介護の必要度の判定,排尿障害の有無の評価,運動器障害の評価,嚥下障害の評価 102G9 認知症の診断に必要なのはどれか。 a 眼底検査 b 肺機能検査 c 心機能検査 d 排尿機能検査 e 頭部単純MRI × a × b × c × d ○ e 正解 e 102G10 高齢者の転倒リスクを高めるのはどれか。 a 抗不安薬 b 末梢血管拡張薬 c 高脂血症治療薬 d 尿酸排泄促進薬 e 非ステロイド性抗炎症薬 ○ a × b × c × d × e 正解 a 101H32 83歳の女性。かかりつけ医への定期受診時に,患者の異常行動を家族が訴えた。2か月前から夜間の徘徊が出現し,警察に数回保護されているという。60歳代から高血圧症で,降圧薬を内服していた。1年前から物忘れが目立っていた。日常生活は自立している。同居する家族は60歳の長女1人のみである。長女は介護に疲れ果て限界だともらし,焦燥感をつのらせている。 対応として適切なのはどれか。 a 慎重に経過を観察する。 b 患者を措置入院させる。 c 患者に鎮静薬を処方する。 d 長女に抗うつ薬を処方する。 e 老人短期入所施設を紹介する。 × a × b × c × d ○ e 正解 e 100G59(採点除外) 高齢者の自立度の低下が最もよくみられるのはどれか。 a 歩行 b 摂食 c 排泄 d 入浴 e 着替え ○ a × b × c × d × e 正解 a 100G90 認知症〈痴呆〉を評価する検査はどれか。 a Rorschachテスト b 状態特性不安検査〈STAI〉 c 簡易精神症状評価尺度〈BPRS〉 d Minnesota多面人格検査〈MMPI〉 e Mini-Mental State Examination〈MMSE〉 × a × b × c × d ○ e 正解 e 99D88 要介護高齢者の日常生活動作〈ADL〉の評価に重要なのはどれか。 (1) 食事 (2) 料理 (3) 買物 (4) 家計 (5) 入浴 a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5) ○ (1) × (2) × (3) × (4) ○ (5) 正解 b
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2nd RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~1/4』 「隠してたわけじゃないんだけど、その…………ね?」 「ね?」 と言われても、俺には何のことだか皆目見当がつかない。 キィキィと軋むオフィスチェアの上で体育座りをした姫乃は、苦笑いのような、バツの悪そうな、形容し難い顔を俺の目から背けた。 服装は昨日と似たり寄ったりの、というか年間を通してカッターシャツにロングスカート(夏は半袖、冬は野暮ったいダッフルコートを追加装備。 日ごとに色が変わるだけ)、肩甲骨のあたりまで伸ばした髪は後ろで一つにまとめ、細身のシルエットによく似合っている。 姫乃がこの狭く汚くボロく散らかった六畳一間 (フロ・トイレ別!) にいてくれるだけで空気が綺麗になったように思う。 いや、事実姫乃がいると、玄関からベランダの窓際まで幸せな香りで満たされる。 小説やドラマでよく見かける 「風に運ばれてくる彼女のいい香り」 とはこのことだったのか。 付き合い始める前から度々、講義と部活を終えた後はこうして俺の部屋を訪ねてきてくれるわけだが、未だこの幸香(造語)に飽きることはない。 それとも、慣れることはない、とでも言おうか。 人間、己が身に過ぎた幸せを恐れるものである。 手を伸ばせば触れられる所に姫乃がいることが、怖いのである。 だってそうだろう? 晴れて大学生となって一人暮らしを始めて、借りたボロアパートの隣室に俺と同じ新入生の女の子が越してきて、しかもその子は可愛さと美しさを足して二を掛けたような容姿で、さらに目が眩むほどの笑顔で俺に微笑んでくれて、そんな子が友人になってくれて、今は俺の部屋で体育座りをしてくれているなんて、今この瞬間も 「これは究極の悪夢じゃなかろうか」 と自分の正気を疑ってしまうほどだ。 ――幸福が過ぎる夢は、目覚めてしまえば重荷にしかならないのだから。 「そうか。 ならば私がその重荷を降ろしてやろう」 いつの間にか俺の肩によじ登っていた姫乃の神姫 『ニーキ』 はそう言うや俺の頬を抓った。 いや、神姫の手のサイズだと、抓るというよりは、 「痛い痛い痛い痛い痛い痛いっての!! お前のサイズでほっぺつねりやるとなあ、蟹に挟まれるみたいに痛いんだぞ!!」 「ニ、ニーキ駄目! どうしたのよいきなり弧域くん攻げ……あああああほら内出血してる!」 椅子から転げ落ちそうになるくらい慌てふためく姫乃とは対照的に、ニーキはあくまでクール(?)に 「そんなもの唾でも付けておけば――ヒメ、君の唾である必要はないんだぞ」 と言い放った。 くそ、もう少しだったのに余計なセリフを吐きやがる。 というかハナコといいニーキといい、神姫ってやっぱり読心機能ついてないか? 「いくらコアセットアップチップが高性能だからって、人の心が読めるわけないだろう。 それと弧域、君はヒメに舐められたいのか?」 「ばっちり読んでるじゃねぇか!!」 姫乃の神姫だから持ち主に似て可愛らしいものだとばかり思っていたのだが、よくよく考えると “神姫は持ち主に似ない” ことは貞方とハナコが一片の矛盾も無く証明していた。 「しかし、どんな男かと思えばこんな奴だったとはな。 ヒメが毎日のようにこ――」 「あー! わー! もうニーキ、少し大人しくしてて!」 姫乃に掴み上げられ、パソコンを常備している机の上に降ろされたニーキは言いつけ通り、澄まし顔で大人しくなった。 黙ってさえいれば、悪魔型神姫・ニーキは武装がなくとも神姫としての魅力に溢れている。 空色の髪をツインテールにして、身体は黒を基調とした悪魔色が鈍く光る。 引き締まった顔に尖った耳がよく似合い、バトルの時は氷のような眼差しと凄惨な微笑みが鉄槌を下すのだろう。 フィールドに立つ、ただそれだけでストラーフ型はオーディエンスへのパフォーマンスとなる。 ……それを姫乃が分かっているかは別の話だが。 「なあ姫乃。 なんで神姫を買おうと思ったんだ?」 「それはもう可愛いもの。 すんごく可愛いんだもの。 工大駅前のヨドマルカメラで電球探してたら、おもちゃコーナーの前でストラーフ型神姫がこう、手を振ってくれてね、一目惚れしちゃったの」 貯金はだいぶ減っちゃったけどね、にはは。 と苦笑いする姫乃に、ニーキを買ったことを後悔する素振りはまったく無い。 「ヨドマルなら神姫に呼び込みさせたりもするだろうな。 ――誰かに誘われて買ったり、じゃなくて?」 「ん? 私の周りはホイホイさんばっかりよ。 神姫持ってるのは鉄ちゃんくらいかな」 「ふうん、そうかそうか。 うん、そうだよなあ」 「?」 ツマラナイことで頭を抱える必要など無かったのだ。 姫乃が浮気? 無い無い無い無い断じて無い。 先程までの杞憂は、そう、ちょっと貞方に遅れを取った焦りから生まれたものだったのだ。 ……と強がってみても、心配など皆無、と言えば嘘になる。 一ノ傘姫乃の魅力があれば男なんて選び放題好き放題だろうに、何故俺なんかを選んだのか、姫乃が隣にいる時はそんな不快な考えばかりが頭を過ぎってしまう。 たかが人形一体で勘繰ってしまうほどに。 姫乃の裏の顔を想像してしまうほどに。 「どうしたの弧域くん。 顔が怖くなってるよ?」 そんな俺の一人相撲を知ってか知らずか、姫乃はまた椅子の上に戻って体育座りしている。 裏の顔、ね。 そんなものがあっても俺はすべてを受け入れる、なんて歯の浮くような台詞を吐くつもりはないけれど、ドス黒い姫乃というのも、それはそれで悪くない。 「しかし姫乃も神姫マスターだったとはね。 俺も買おうかなあ。 んでもってニーキと勝負してみたりさ、楽しそうだぜ」 「え? ……あ、うん、そう……かな」 姫乃の顔が再び、なんとも形容し難いものに戻った。 さっきからどうも様子がおかしい。 分かり易過ぎるほど神姫の話題を避けているようだが、その割にはヨドマルでの出会いをあっさりと白状(告白?)してみせたし、目を逸らすのは決まってどうでもよさそうな話の時ばかりだ。 思えば、俺が神姫の話をしようとした時も、興味がないフリをして話題を避けているようだった。 俺が小一時間ほど “不出来なCDほどフリスビーに向いているのは何故か” を語った時も話に乗ってくれた (というより説教された) 姫乃が、何故こんな話題に口ごもる必要がある? 思い当たるふしは……あー、カツカレーの食べ過ぎだろうか。 「カツカレーで何かが変わると思っているのか。 ヒメ、君の彼氏は馬鹿だぞ」 「心を読むな! そしてもうちょっとオブラートに包めよ!」 「否定はしないんだな」 「お前、人の揚げ足取るの大好きだろ」 「君が見下げ果てた野暮天だからヒメが困っているんだ」 「ちょ、ちょっとニーキ、あんまり――」 「たまには言葉で真っ直ぐ伝えてやるのもこの男のためだぞ、我がマスターよ」 「~~~~っ」 ニーキは言いたいことを言い終えたのか、再び元の寡黙な人形に戻った。 その隣で椅子をキイキイと揺らす姫乃は自分の膝に顔を埋めて――黒髪の間からのぞく耳を真っ赤にしていた。 「言い難い事、あるのか?」 こくり。 頭を縦に動かした。 「怒ってる、とか?」 ふるふるふる。 頭を左右に振った。 「悲しい事だとか」 ふるふるふる。 「あー、じゃあ恥ずかしい事だとか」 こくりこくり。 恥ずかしいこと? 今までの会話のどこに恥ずかしがる要素があった? ますますわけがわからない。 一人で混乱していると、くぐもった声が聞こえてきた。 「……だって、神姫なんだもの」 「うあん?」 「弧域くん、神姫――欲しい?」 「え、くれるの? でもなあ、ニーキはちょっとキツいしなあ、」 「ニーキは駄目。 そうじゃなくて、自分の神姫、買いたい?」 欲しいかと問われれば、そりゃあ欲しい。 着せ替えのように武装させてみたいし、バトルだってさせてみたいし、この隙間風が寂しい部屋に神姫がいれば少しは寒さも和らぐのかもな。 だが、物はいつか壊れる。 熱力学第二法則(第一だったか?)がある限りどんな物でも例外ではないし、神姫だってもちろんその例に漏れない。 負担が掛る可動部はメンテナンスをしていても取り替えが必要になるし、バッテリーも技術が進んだとはいえ充電を繰り返すごとに容量が減っていく。 これらはまだ取り替えが効くからいい。 だがCSCなんて、外部からの衝撃でどんな影響を受けるか分かったものではない。 ――ホイホイさんになぶり殺しにされたマオチャオがそうだったように。 未だあのマオチャオが、持ち主だった弓道部部長の泣き叫ぶ顔が、頭から離れないのだ。 ……あんな別れ方をするくらいなら、最初から神姫なんて持たないほうがいい。 「どうだろうな。 欲しいような気もするし、欲しくないような気もする」 「どっちよ。 欲しい? 欲しくない?」 「俺にもよく分からないんだ。 神姫で遊びたくもあるし、なんつーかほら、犬とか猫とか、死に別れが嫌だから飼いたくないってよく聞くだろ。 あんな感じ」 「弧域くんっていつもはハッキリしてるのに、たまにものすごく優柔不断になるよね」 何故俺は責められてるんだ? 「いいだろ別に。 ハッキリさせなきゃいけないことでもないし」 「よくない」 「いいだろ」 「よくない」 「なんで」 「だって…………よくないんだもん」 姫乃が何を言いたいのか分からないが、少なくとも二人の間うっすらと見える溝をゼネコンが本腰を入れて掘り始めたことだけは確かだった。 俺にどうしろってんだよ、ゼネコンは誰の命令を受けて着工したんだ。 国か? 国なのか? 国土交通省のせいで俺達は付き合ってから初となるケンカをしようとしているのか! 「何がよくないんだよ。 俺が神姫を買っちゃ駄目なのか?」 「駄目っ! ……じゃない、けど……」 「なら買わないほうがいいのか? そりゃあ神姫は高いからな、そう簡単には買えないけどさ」 「そうじゃなくて、そうじゃないの!」 「どっちだよ! 俺は買うべきなのか、買っちゃ駄目なのか!」 「だって! ……だって……」 「だってだって、さっきからそれば――」 言いかけて無理矢理口を噤んだのだが、もう遅かった。 さっきよりも顔を真っ赤にした姫乃が、目に涙を浮かべて俺を……敵のように、睨んでいる。 怒った顔も可愛いんだなあ、なんて考えてる暇があれば謝罪の言葉の一つでも出せばいいものを。 何が悪かったのか皆目見当もつかない俺はどう謝っていいかも分からない。 言葉が出ない。 ぐぅの音も出ない。 希望も何も出てきやしない。 ああ、こりゃもう駄目だ、嫌われたな…………短い春だったな………… 「だって…………だって…………神姫だって、女の子なのよ!!」 「……………………は?」 「神姫はずっと持ち主の側にいるのよ! 弧域くんがもし神姫買ったら、弧域くんはずーっとその神姫と一緒なのよ! わ、私がいない時も!!」 「……………………」 「そんなの! ……そんなこと………………嫌なの」 「……………………」 「ごめんね。 幻滅したよね。 私、すごく嫉妬深いんだ」 「……………………」 「嫌いに、なったよね」 「ンナワケねぇだろおおぉぉぉおおがあぁぁぁああぁぁああああ!!!!」 椅子の上で丸くなっていた姫乃を抱え、ベッドに放り投げた。 「きゃっ!?」 ああもう、悲鳴も可愛い! あっけにとられた顔も可愛い!! こんなに可愛いのに? こんなに愛くるしいのに? 頼まれても嫌いになれるものか!! 「ちょ、ちょっと、弧域くん? 落ち着こう、ね?」 「安心しろ。 俺の頭は今、一面のコバルトブルーだ」 「晴れてる! 頭が晴れてる!」 目を丸くした姫乃に覆い被さるように手をついた。 アルミ製のベッドがギシギシと今にも崩壊しそうな音を立てた。 このベッドもついにシングルからダブルに昇格する時が来たか(?)。 自分の呼吸がどんどん荒くなっていくのが、他人事のように感じる。 体が、心臓の鼓動が、自分のものでないような感覚。 だがそれでも俺は、自分を見失うわけにはいかない。 俺は今、姫乃の目やら唇やら何やらを凝視するのに忙しいのだ! 「あ、あの、私まだ心の準備といいますか、心臓がドキドキして苦しいんですけど……」 「安心しろ、俺もだ。 だがそんなもの、勢いだろう?」 「い、勢い? そ、それにね……その……」 「まだ何かあるのか。 そうだな、今の内に全部言っておくといい」 「まさかこうなるなんて思ってなかったから……」 「うん、そうだな」 「………………今日の下着、あんまり可愛くないの」 「さらば理性ィ!!」 カッターシャツのボタンを一つ一つ外すのも間怠っこしい!! 安心しろ姫乃、今直ぐ全ボタンを引きちぎって、その可愛くない下着とやらを拝んで―――― 「獣め、そんなに規制されたいか。 レールアクション『血風懺悔』」 ずっ。 そんな音が眉間の辺りから聞こえたかと思うと、勢い良く赤いものが飛び出してきた。 「うおおおおおおお!?」 なんだこれ、なにがあった、興奮しすぎて血管が切れたか!? とにかく止血しようと、ベッドに頭を押し付けた。 「きゃあああああああ!? 弧域くん大丈夫!? え~っと、え~っと、そうだ、頭より心臓を高くしないと!」 「『血風懺悔』――受けた者は血風を撒き散らしながら許しを乞うように頭を地になすりつける」 私の得意技だ。 と勝ち誇るような声が聞こえる。 腹立たしいくらいニヒルに笑っているのだろうが、今は視界一面が血で濡れたベッドカバーだ。 「ニーキ!! 弧域くんに恨みでもあるの!? 初対面でしょ!?」 「ヒメも案外野暮天なのかもな。 君達は君達が思っているよりもずっとお似合いの仲だ」 「おいコラ、マジで血が止まらねぇぞ!」 「どういうことよ」 「さっき自分で言っていただろう、 “神姫だって、女の子なのだよ”」 「こ、このやろう人様の眉間に穴空けといて無視かよ……上等じゃねぇか、この借りは神姫バトルで返してやる!!」 叫んだことで穴が広がり、ベッドのシミはさらに広がっていった。 このとき俺は、絶対に武装神姫を買ってニーキを同じ目に合わせてやることを、固く心に誓った―――― NEXT RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~2/4』 15cm程度の死闘トップへ